バルセロナのサッカーが世界で最も美しいと言われているのは、何も今に始まった事ではないのは周知の通りで、今回自分が指摘した某誌の記事がどうこう以前の話である。つまり今回は、実に古典的な話になる。
問題は、何を持ってして美しいサッカーと言うのか、という事だ。
美しいサッカー、それは”楽しいサッカー”と同じく、好みは人それぞれであるからして、絶対に定義づけられないものであると思っている。にもかかわらず、世間一般では半ば常識のように語られる”バルセロナのサッカー=美しい”は、やはり世界最高峰の選手を揃えてこそ可能になるサッカーであり、自分的には完全なブランドイメージだと思っている。
と、こう否定的な言い方をすると、バルセロナに良いイメージを持っている人に怒られそうなので予め断っておくが、別にこれはバルセロナのサッカーを否定している訳ではなく、そして良い悪い強い弱いを言っているのではなく、好みの問題を言っているので、あしからず。
本題に戻るけど、上記にも書いたように、自分は美しいサッカーの定義など存在しないと思っている。だから何を美しいかは、語れない。ただ自分の好みからすれば、素早いロングボール一本からカウンターがビシッとはまったり、個人技全開で敵の守備網をぶち破って突破して行く、このような形を観るのは大好きであり興奮する方なので、どうしてもパスを繋ぎながらゴールに迫って行くという形は、閉塞感を覚えてしまう。
それは確かに、スムーズにショートパスが繋がって連携よろしく得点に繋げるという形は、何となくチーム全体で勝ち取った得点という雰囲気は持てる。対してロングボールや個人技で取った得点というのは、どことなくチームスポーツという連帯感から離れた邪道なイメージを持たれる。
世間でパスサッカーを信奉する者が増えつつあるのは、もちろんそういうサッカーが結果を出しつつあるからこそ好まれる所以であるが、もうひとつは、やっているサッカーをチームスポーツという体裁に拘って考えすぎる人も少なくない故に、どうしてもカウンターや個人技を多用するサッカーが否定されつつあるのだろうと思う。
自分は昔からドイツサッカー好きである故に、昔はドイツの”重たい”サッカーこそが強いと信じていた。しっかりと守備を構築しながら組織の中で個々が役割義務を果たしつつ、リスクを負わないで連携を保って堅実に攻めるサッカー。これが一昔前のドイツサッカーのスタイルだった。この派手さに欠けるドイツのサッカーは”つまらない”と揶揄され、世界のサッカー通からは酷評されていた時代があった。
しかし、である。実はこれこそが、パスサッカー、コンビネーションサッカーの元祖なのではないだろうか?80年代後半から90年代前半にかけては、組織重視のサッカーよりも、マラドーナに代表されるような、ずば抜けた個人能力を持つ南米的なサッカーが受けていた時代である。あの当時のドイツは、それとは正反対のサッカーをしていた。90年にワールドカップでドイツが優勝した時も、ドイツのサッカーが大きく認められる事はなかった。それは上記のような時代背景があったからだと思う。
矛盾している自分に気付いた。当時のドイツサッカーを信じていたならば、何故自分は最近になって、所謂イングランドスタイルと言われるロングボール多用のサッカーや、ブラジルに代表されるような個人技全開のサッカーを好意的に捉えるようになったのだろうか?
レッズの黄金期のサッカースタイルが成功したから?フィンケのサッカーが功を奏さなかったから?・・・そうとも言えるし、そうでない部分もあるのだが(ちょっと煮え切らないが)、結論から言えば、Jリーグが出来て、生で色々なスタイルのサッカーを体感して、サッカー観に柔軟性が生まれたという点はある。そうした上で、自分がサッカーにおけるチームスタイルのストロングポイントを何処に見出すのか、最近ようやくわかりつつあるのかもしれない。そして当然それは自分の好みの世界であり、あくまで正解ではないということ。
せめて、「あなたはとんなスタイルのサッカーが好みか?」と問われた時、答えられずに”わからない”としてしまう事だけは避けたいと思う。
最後に、自分がレッズの試合で最も好きなシーンをあげよう。
それはレッズ創生期、アウェー瑞穂競技場でウーベ・バインのロングパスから、福田が右腿を駆使した見事なトラップでそれを受けて、DFを背負いながら高速ドリブルでぶっちぎってゴールをあげたシーン。あれを思い起こしてしまうと、どんな華麗なパスワークによるゴールも、どんなパワー全開の豪快なゴールも、脳の彼方に霞んで見えてしまうのだ。このシーンから、自分自身が一体どんなサッカーが好きなのかが、薄々わかる気がする。
さて、あなたは、どんなスタイルのサッカーが好きですか?(笑)
それはさておいて、日程が発表されたから、とりあえず開幕戦までの準備とプランを。
対戦相手が見つからないのに、苦肉の策で無理矢理開催のさいたまシティカップを含めたプレシーズンマッチが3試合もあるので、2月は何だかんだ言っても慌ただしい月になる。というか、これだけプレシーズンマッチがあるのだから、1試合はレッズ主催で開くくらいの度量で考えなかったのだろうか?シティカップだって主管は大宮だし。今年のレッズは決算が厳しいのだから、ちょっとはお金儲けも考えないと・・・
と、野暮な話はこのくらいにして、先ずは13日の鳥栖。だいたい(土曜が休みの人の場合)3連休の最後の日に鳥栖って、もうちょっと日程考えろよ、と思った人は少なくないはず。ホントに勿体ないというか、だったら3連休中日の12日にやれば良いじゃん、と思った人は沢山居るはず。完全に個人的事情。くそう、12日ならば余裕で行って帰って来られるのに・・・
それでも行かれる人は居る訳で、頭が下がります、ハイ。
という事で鳥栖はパス。・・・バレーボールみたいだな。
20日のシティカップは当然行く訳で、与野在住の仲間が買ってくれたから、ゲット出来た。というか、優先販売で完売したら一般販売無しってルール、あまりに不公平では?
で、今さっき27日の栃木のチケット買ってきた。なんだかやたら売れまくっていたので、最初まったく繋がらなくて焦ったものの、何とかアウェーゲット。これで一安心。当日は試合を楽しんで、帰りは宇都宮餃子でザ・美酒で決まりだ。
開幕戦神戸は、なんと贅沢にも前日5日朝に新幹線出撃という奮発プラン。青春18切符期間にもかかわらず新幹線使用って・・・恐ろしくて手が震える異常事態。しかも直接神戸ではなく、京都でぶらり途中下車の旅という、神戸行く前に京都観光という意味不明プラン。だってサンガがまたJ2落ちちゃったから、こうでもしないと京都に行けないではないか。しかも神戸のホテル宿泊代が、3人で一人頭1,980円って、奮発しているんだかケチっているんだか良くわからない遠征だな。というか、いくら素泊まりとはいえこの値段、まさか額縁やテレビの裏に怪しい御札とか貼ってある部屋じゃないだろうな?まあ、むさ苦しい男3人に喧嘩を売るオバケが現れるとは思わないが・・・大丈夫か!?
と、次々金が飛ぶように出て行く2月。
栃木チケットと新幹線券買って帰ってきたら、居間のテレビの音が出なくなっているという事態・・・
地デジ移行まで古いテレビを保たせようと思っていたのに、まさかこのタイミングで壊れるとは、どうしよう。金が・・・
自分の都築に関する考えは、都築が湘南へレンタルに出される時に一度書いたものの繰り返しになってしまうから、また改めては書かないことにする。
ただ、海外では「GKのピークは30歳から」との言葉にもある通り、明らかにまだまだプレー出来る32歳という年齢を考えると、都築を欲しがるチームが現れなかった事は大変ショッキングな事実であり、悲しい結末であると言える。
唯一の救い、それは都築がオフィシャルで語った「レッズの選手として、一線から退きたい」「(浦和は)離れたくない土地」という言葉。
フィンケとの確執だったかどうかは闇の中とはいえ、明らかに不条理な扱いをされたままレンタルに出された都築が、それでも最後はそういう言葉を残してくれたのだから、これで自分にとっても少し救われた感じがする。
本来、ペトロのもとだからこそ都築のような性格の選手が必要だと思っていたが、最後にレッズの選手として現役を全うする事になった都築の、「埼玉県でスポーツを通して貢献したい」という第2の人生が成功するように、祈ろう。
さてそんな中で、これは自分がレッズのGKの保有の仕方について、前々から思っていた事なんだけど、レッズは過去に土田・田北という同年齢の有力GKを保有していた歴史がある。土田と田北は、現役時代はお互いロクに口もきいた事が無いと公言している程にピリピリとした関係だったらしいが、そんな中でも良きライバル関係を維持して現役を全うした。
歴史は繰り返すもので、しばらくすると今度は、山岸・都築という同年齢のGKがライバル関係の時代があった。この2人の仲がどれ程のものかは不明なものの、これも良きライバルとしてお互い切磋琢磨しつつ、レッズの数々のタイトルに貢献した。そして都築は引退。
このように同年齢のキーパーを保有すると、お互いは過剰にライバル心を燃やして、その相乗効果によって、チームはレギュラークラスの有力GKを常に使い回せる事になるのだ。つまりどちらかが怪我をしても、どちらかが不調に陥っても、常に同じような実力を持つGKが控えているのだから、そこは大きな戦力ダウンにならずに、安定してゴールマウスを守らせる事が出来るのだ。
ここで思うのは、果たしてそのような状況が、チームにとって本当に良い環境なのか、という点である。
ここでもう何が言いたいかわかっている人も居ると思うけど、このような環境にあるチームは、若いGKが育たない。常に正GKに同年齢の2大巨塔が控えているせいで、ただでさえ出場機会を得る事が難しいGKというポジションの中で、更に若い第3、第4のGKに、出場機会はほとんど回って来ない。仮に回って来たとしても、たまにカップ戦で使ってもらうだけで、すぐにまたベンチにも入れない、入れたとしてもベンチを暖めるだけの日々が長く続く事になる。故に実戦経験を積めないまま、在籍年齢だけは増えて行く事になる。
こうやってGKに空洞化が発生し、いざベテランになった”同年齢の2大巨塔”がチームを去る事になった時、もしくは巨塔のどちらかがチームを去って、尚も片方のGKが怪我でもして離脱してしまったら、実戦経験の浅い第3のGKが、危なっかしくゴールマウスを守る事になってしまう。
レッズは一時期、田北の後釜として、西部や安藤がゴールマウスを守った時期があったが、土田・田北時代に生まれた空洞化によって、後釜である2人は明らかに経験不足を露呈しては失点を重ね、ほとんど実力を発揮する事も無いままやがてレッズを去っているのである。そんな中で台頭したのが山岸であり、そしてガンバから獲得した都築だった訳だが。
高橋、本間、荒谷etc...レッズで日の目を見ることなく、その後に移籍先で正GKを射止めた例もあるが・・・
そろそろ、レッズは同年齢のGKを保有するのはやめた方が良いと思う。様々なポジションがある中でも、GKは長いスパンを考えて育てて行かなければいけないポジションのはず。そして最も世代交代がスムーズに進まなければいけないポジションだと思っている。そのようなポジションに、同年齢のGKを2人も保有してしまっては、後が続かなくなるのは必然。
そんな今のレッズに残されたGKは3人。その中で今は筆頭の山岸に頼るしか道は無くなったが、その後に控える加藤と大谷。特に加藤は、都築の引退によって、山岸からポジションを奪う絶好のチャンスであり、今年にもそれが出来なければ、フロントはまた別の有力GKを他チームから獲得しようと動くはずである。
都築の引退は、今のレッズのGK事情に、ひじょうに大事な一石を投じた出来事だと思う。そしてGKの空洞化という歴史だけは、もう繰り返してはいけない。
さて現実的には、新加入選手は結局マルシオ・リシャルデス、永田、青山、小島で、外国人枠を1つ残したままのスタート。戦力的にはどう考えても極端にはグレードアップしているようには思えないのが不安材料の上、柏木、永田、スピラには出来ることなら早くチームに合流して、連携を高めてもらいたいところだが。そんな中で・・・
いよいよ始動したペトロレッズ。まだ始まったばかりとはいえ、その練習状況からは、フィンケとは真逆の意識で臨んでいるかのような感じ。
実際ペトロが公にインタビューに応えるようになってから、その言動を見てみると、それが手に取るようにわかる。チームと選手の性質に合ったシステムを選ぶと公言している点も、これまでレッズに無かった柔軟性の表れである。
宇賀神が「今まで無かった勝者のメンタリティ」という言葉を発したのも注目点。この言葉から、去年のレッズが一体どういうチームだったか、フィンケ下のレッズがどういう雰囲気だったか、そして選手がペトロに何を求めているかが見えてくる。
それもそのはずで、ペトロは「レッズをあるべき姿に戻す」と公言したのだから、フィンケのやり方とは全く別の姿勢で臨むのは至極当然なのだ。
そしてフィンケのやり方に納得が行っていなかった自分にとっては、ペトロの言動には多々共感できるものがあり、そして自分もこのブログで散々指摘してきた通りの事をペトロも言っているのだから、まさにペトロと自分の考え方はひじょうにマッチしていると言える。
ただひとつだけ、ペトロは「日本人選手が主役」のチームを作りたい旨の発言をしていたが、この部分に関しては”ノー”と言いたい。実際、本当に上位チームを目指すのであれば、常に日本人には無いものを持っているであろう外国人助っ人が第一に輝かなければ、簡単には勝てない。そして日本人が中心になって勝てるほど、Jリーグはそこまで甘くない。レッズは、スピラが守り、マルシオ・リシャルデスがゲームを作り、エジがゴールを量産しなければいけないのだ。
そんなペトロから、先日の練習ですごい言葉が飛び出した。
「もっと速いパスを出せ。
その分だけ、相手が届かなくなる」
デイリーの記事からなんだけど、これはお茶を飲みながら吹いてしまった。
何という直球指示(笑)。いや、実際そうなんだけど、一見理論的ながら、実はド根性精神論的な雰囲気満載見え見えの指示。それにしてもストレート過ぎる指示。その分だけ相手が届かなくなるって、まあそりゃそうなんだが、何かすごい。これはいよいよ、敵も届かないが味方も届かない啓太必殺のデビルパスの威力が発揮される時がやって来たのか!?
・・・冗談は右に置いておいて、この”速さ”こそが自分もここ2年散々指摘してレッズに求めていたもの。ザッケローニも「現代サッカーの鍵は、如何に手数を少なくしてゴールに迫れるかだ」と言っている通り、チンタラパス回ししているだけでは得点出来ない、勝てないのは当然なのだから、オランダやイングランドのスピードあるサッカーを目の当たりにして、去年のレッズを研究したペトロが、始めから速さを意識した指導をするのも至極当然なのだ。原口曰く「スピードの速いパス回しができなければと思った」と、今更プロがそんな事を言っているのかとツッコミたくなるような言葉も、実際にここ2年間全く出来ていなかったのだから、それも仕方のない事かもしれない。
とにかく、レッズのサッカーは変わる。間違いなく変わる。
当初柱谷GMが、ペトロにもパスサッカーを継承してもらうような事を言っていたが、GMの考えとは裏腹に、当のペトロはフィンケのサッカーを踏襲しようなどとは露ほどにも思っていない事が、ペトロの言動と指導からわかった。
これが吉と出るか凶と出るかは、まだ始まったばかりだからわからないものの、熱いペトロのキビキビとした姿からは、自分も「やはりレッズはこうでなくちゃ」という熱いものが沸き立ってくるのだった。
四の五の理屈や屁理屈をこねているより、先ずは実践する、それがペトロなのだ。
上の写真からも、「おいみんな、あの夕日に向かってダッシュだ!」的な・・・その後ろで腕組みして構えている啓太がまた良い感じで・・・熱血スポ魂ドラマだな。ってか後ろ姿のツッチー、オッサン臭丸出しだな。
ちょっと脱線したが、とにかく、この熱い魂を持った漢がレッズに帰ってきたのだから、これは期待せずにはいられない。
・・・やばい、ちょっとペトロを褒め過ぎだな。まだ始まったばかり。この辺で自粛しとかないと。
例年のごとく年越会で深夜3時までドンチャン騒ぎしていたから、3時間しか寝ていない上で、今年はここ2年行っていなかった元日国立観戦を眠い目を擦りながら決行。ようはレッズレディース目的である。
と、あれれ、女子って延長戦やらないの?てっきり延長突入かと思っていたら、いきなりPK戦のアナウンスでズッコケてしまった。そのPK戦も、レッズは3本も失敗するわで、おまけに神戸も2本失敗しているのだから、一体どんなPK戦やねん・・・
結局PK戦で負けて、レッズファミリー今年最初のタイトルを逃す・・・うーん・・・
レッズレディース敗北により、ここで早くも今年最初の・・・まさかのザ・やけ酒が炸裂である。
あああ・・・
と、しんみり飲んでいたら、後から試合を終えた清水サポが入って来た。その彼らは「J2に落ちてでも良いから、天皇杯は優勝したかった」と悔しがっていた。・・・気持ちはわかるが・・・J2に落ちてまでとは、ちょっと言い過ぎではないかい?
いや、まあ何をどう言おうと別に良いか。元日国立でチームをサポート出来る状況がうらやましい。
レッズも今年は優勝を争えるチームに復活してほしいところだが・・・
そうなれるように、今年も頑張ろう。
今年もよろしくお願い申し上げます。
今シーズンも終わるにあたって、総括の時期がやってきた。
今年は、これまでのレッズの経緯を踏まえて、この1年のみならず、2年を1セットとして考えた。そしてそれに関連して、もっと前に遡って見て行きたい。
”それ相応”という言葉がある。その時々の状況や立場、条件に相応しくあるべき意味を表す言葉である。
果たしてレッズというクラブ及びチームは、それ相応の運営をして来ただろうか?
話をオフト監督時代に戻す。あの頃のレッズは念願であったタイトルを初めて獲得し、絶頂期への階段を登り始めた時期だった。
犬飼社長の改革によって更に勢いに乗ったレッズは、大物選手を次々に獲得し、それに準じて好成績を維持しつつ、タイトルを総なめにした。
大型補強を支えたもの。それは常に埼玉スタジアムという6万人規模の超大型スタジアムを埋めるファン・サポーターのチケット売り上げであり、グッズ売り上げであり、優良スポンサーから生まれる豊富な資金に他ならなかった。
絶大な人気と強力な戦備の相乗効果によって、ますます膨れあがる人気と戦力と成績の相乗効果。飛ぶ鳥を落とす勢いで世界に向けて拡大路線を辿っていたレッズ。あの頃のレッズは、間違いなく日本のサッカークラブにおいては最大のビッグクラブであったし、日本で唯一世界に通じられるクラブであったはずである。
しかし、J1復帰以降のレッズが辿った”それ”は、禁断の領域でもあった。このような路線を拡大して行くには、相当の覚悟と自信、そして何よりも確固たる”裏付け”を持ち合わせていなければ、到底維持できないものだったのだ。
禁断の領域、そこに踏み込んだ以上、一度でも手を緩めてしまったら、少しでも後戻りしてしまったら、足下から一気に崩れる、常に危険を孕んだ領域だったのである。そこにレッズは足を踏み入れてしまったのだ。
しかし当時のレッズが、その領域に足を踏み入れなければならない状況があった。それは、日本最大数のサポーターを抱え、埼スタという巨大なキャパを得た以上、その人気を拡大させ維持して行く必要があったのだ。それには、常に優勝争いをする地力が必要になる。その為には、その禁断の領域に踏み込むしか、道はなかったのである。そしてその領域に踏み込む為の一番の”裏付け”こそ、スタジアムを埋める大レッズサポーター群の存在だったのだ。
巨大なスタジアムを常に詰め尽くして、大型補強を繰り返しスター選手を揃え、期待通りに常にド派手な優勝争いを繰り広げてはタイトルを総なめにする。そのチームを応援するファン・サポーターにとって、これほど至福な状況は、他にない。そしてそれは、世界のどのビッグクラブでも持ち合わせている条件であり、求めるべきものの究極形なのである。
生き物は、味を占めるものである。レッズでも多くのファン・サポーターが、多分に漏れずそういう究極形の状況に、素直に味を占めていたはずである。それも弱かった頃から支えてきたサポーターならいざ知らず、強くなってからレッズを好きになった人ならば尚更、レッズはスター選手を揃えて強い、勝利と優勝という概念が当然になってしまう。
ところが、その概念が崩れた時、一体どうなってしまうだろうか。
答えはひとつ、”冷める”のである。
そして、実際に、多くのファン・サポーターが、冷めてしまったのだ。
著しい観客動員の減少。当然であり必然である。この2年、レッズで行われて来た事、起きて来た事を良く思い出してみてほしい。かつて膨張を続け巨大化したレッズと、この2年間との大きなギャップ。それを鑑みれば、何故このような事態に陥ってしまったかが、容易に理解出来るであろう。
08年の失敗。そしてシーズンの終わり。しかしその時点では、まだ盛り返せる力はクラブにもチームにもあった。それだけのサポーターも、有力選手も保持していたからである。ところが、その後レッズは致命的な判断ミスを犯してしまう。それまでの拡大路線をストップさせたのだ。
そしてクラブとチームにまったく相反するタイプの監督を招聘し、その監督に多くのタクトを許してしまったのだ。これが第一の間違いであり、最大の過ちだった。そして有力な人材が去って幹部の多くが入れ替わっていた当時のフロントに、もはやそれを軌道修正するだけの判断力も、決断力も指導力も無かった。そして、それに比例してますます小粒化するチームにあって、成績低迷に歯止めがかからなくなる。そのような煮え切らないクラブとチームに、多くのファン・サポーターが、やがて冷めて行ってしまったのである。
禁断の領域、それは一度でも手を緩めてしまったら、少しでも後戻りしてしまったら、足下から一気に崩れる、常に危険を孕んだ領域。そこに足を踏み入れてしまったレッズは、何処かで道を誤り、やがて手を緩め、後戻りしてしまった。そして全ては瓦解してしまった。
そうならない為に、手を緩めては、後戻りしては絶対にならなかったのである。拡大路線を維持し続けるには、更なる拡大路線を歩んで結果を出し続けるしか、それを維持する方法は無いのである。
それは一見して自転車操業と同じように見えるかもしれない無理がありそうで危うい方法だが、禁断の領域にある以上、それを続けなければ、やがては維持出来なくなり、崩れていってしまうのだ。一度でも派手に手を拡げた以上、いざ舵取りを誤った時には、その反動で大きな代償を払う事になるのだ。そして実際に海外のビッグクラブと言われる多くのクラブが、それを繰り返しては成功し、道を誤れば失敗しているのである。
冒頭で”それ相応”という言葉を書いたが、その時の状況でそれ相応の方法を選ばなければ、何事も上手くは行かないのが社会通念というもの。レッズが禁断の領域に踏み込んだまま、それ相応の運営を続けられていたならば、ここまで崩れる事は無かったかもしれない。
多くのサポーターを抱え、多くの優良スポンサーを抱え、多くのスター選手を抱え、名実共に多くの結果を出してきたレッズというクラブとチームには、そのクラブとチーム相応のやり方があったはずだし、相応の結果を出さなければならなかったし、絶対にそうし続けなければいけなかった。しかしその路線を変えた時から一転、一気に坂道を転がり落ちて行ったのだった。
2010年シーズン。ついには坂道を転がり落ち切ってしまったレッズは、これから再生の道を歩む事になる。
レッズは多くの大きなものを失ってしまった。積み上げたものが崩れる時は一瞬。その無くしたものを取り戻すのは簡単ではない。しかしクラブは落ち込んだ観客動員を取り戻し、スポンサーからの信用を取り戻し、赤字を解消し、チームは成績を向上させなければならない。
来季、またひとりレッズの英雄が監督として帰ってくる。そのペトロは「レッズをあるべき姿に戻す」と言った。その”あるべき姿”とは、満員のスタジアムで強いレッズが優勝争いを繰り広げる、そういう姿に他ならない。
しかし今のレッズの状況を見れば、それが容易ではない事は明白である。2年前よりも1年前よりも、レッズは更に厳しい状況に置かれている。それでも再生を成し遂げなければ、更に厳しい現実が待つ事になるのだ。
もしかしたら、フィンケの時に使われた”我慢”や”覚悟”とは、本当はこれからこそ必要な言葉なのかもしれない。
悲惨な現実も味わい続けたこの2年。レッズサポーターにとって多くの意見対立も生まれたこの2年。しかしこの2年が無駄であったとは思いたくないし、無駄なシーズンなど何処にも無いと信じたい。だからこの2年が有意義なものであったと信じたい。その上でのこれからである。
サポーターも一歩成長して、今度こそ団結してクラブとチーム支える時がやって来たのだと思う。
と言うことで、今年も厳しいシーズンとなってしまいましたが、1年間お疲れ様でした。
最後に、今年も数多くの方々に当ブログを訪問いただき、本当にありがとうございました。
今年は例年にも増してレッズに対して厳しい事を書き綴ってしまった感があり、読まれた方の中にはもしかしたら気分を害された方も居らしたかもしれませんが、それもレッズを思う故であり、その点ご理解とご容赦いただけたら幸いと存じます。
では、今年はこの記事が書き納めとしたいと思います。また来年も、どうぞよろしくお願い致します。
皆様、良い年をお迎えください。それでは。
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レッズと酒に生きる。
スタジアムではゴール裏住人であります。