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浦和レッズが好きなすべての人々へ捧ぐ…
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現在発売中の某サッカー誌において、バルセロナの華麗なショートパスを繋いでゴールに迫るサッカーを例に出して、それこそが”美しいサッカー”とするような記事があった。
バルセロナのサッカーが世界で最も美しいと言われているのは、何も今に始まった事ではないのは周知の通りで、今回自分が指摘した某誌の記事がどうこう以前の話である。つまり今回は、実に古典的な話になる。

問題は、何を持ってして美しいサッカーと言うのか、という事だ。
美しいサッカー、それは”楽しいサッカー”と同じく、好みは人それぞれであるからして、絶対に定義づけられないものであると思っている。にもかかわらず、世間一般では半ば常識のように語られる”バルセロナのサッカー=美しい”は、やはり世界最高峰の選手を揃えてこそ可能になるサッカーであり、自分的には完全なブランドイメージだと思っている。

と、こう否定的な言い方をすると、バルセロナに良いイメージを持っている人に怒られそうなので予め断っておくが、別にこれはバルセロナのサッカーを否定している訳ではなく、そして良い悪い強い弱いを言っているのではなく、好みの問題を言っているので、あしからず。

本題に戻るけど、上記にも書いたように、自分は美しいサッカーの定義など存在しないと思っている。だから何を美しいかは、語れない。ただ自分の好みからすれば、素早いロングボール一本からカウンターがビシッとはまったり、個人技全開で敵の守備網をぶち破って突破して行く、このような形を観るのは大好きであり興奮する方なので、どうしてもパスを繋ぎながらゴールに迫って行くという形は、閉塞感を覚えてしまう。

それは確かに、スムーズにショートパスが繋がって連携よろしく得点に繋げるという形は、何となくチーム全体で勝ち取った得点という雰囲気は持てる。対してロングボールや個人技で取った得点というのは、どことなくチームスポーツという連帯感から離れた邪道なイメージを持たれる。
世間でパスサッカーを信奉する者が増えつつあるのは、もちろんそういうサッカーが結果を出しつつあるからこそ好まれる所以であるが、もうひとつは、やっているサッカーをチームスポーツという体裁に拘って考えすぎる人も少なくない故に、どうしてもカウンターや個人技を多用するサッカーが否定されつつあるのだろうと思う。

自分は昔からドイツサッカー好きである故に、昔はドイツの”重たい”サッカーこそが強いと信じていた。しっかりと守備を構築しながら組織の中で個々が役割義務を果たしつつ、リスクを負わないで連携を保って堅実に攻めるサッカー。これが一昔前のドイツサッカーのスタイルだった。この派手さに欠けるドイツのサッカーは”つまらない”と揶揄され、世界のサッカー通からは酷評されていた時代があった。
しかし、である。実はこれこそが、パスサッカー、コンビネーションサッカーの元祖なのではないだろうか?80年代後半から90年代前半にかけては、組織重視のサッカーよりも、マラドーナに代表されるような、ずば抜けた個人能力を持つ南米的なサッカーが受けていた時代である。あの当時のドイツは、それとは正反対のサッカーをしていた。90年にワールドカップでドイツが優勝した時も、ドイツのサッカーが大きく認められる事はなかった。それは上記のような時代背景があったからだと思う。

矛盾している自分に気付いた。当時のドイツサッカーを信じていたならば、何故自分は最近になって、所謂イングランドスタイルと言われるロングボール多用のサッカーや、ブラジルに代表されるような個人技全開のサッカーを好意的に捉えるようになったのだろうか?
レッズの黄金期のサッカースタイルが成功したから?フィンケのサッカーが功を奏さなかったから?・・・そうとも言えるし、そうでない部分もあるのだが(ちょっと煮え切らないが)、結論から言えば、Jリーグが出来て、生で色々なスタイルのサッカーを体感して、サッカー観に柔軟性が生まれたという点はある。そうした上で、自分がサッカーにおけるチームスタイルのストロングポイントを何処に見出すのか、最近ようやくわかりつつあるのかもしれない。そして当然それは自分の好みの世界であり、あくまで正解ではないということ。
せめて、「あなたはとんなスタイルのサッカーが好みか?」と問われた時、答えられずに”わからない”としてしまう事だけは避けたいと思う。

最後に、自分がレッズの試合で最も好きなシーンをあげよう。
それはレッズ創生期、アウェー瑞穂競技場でウーベ・バインのロングパスから、福田が右腿を駆使した見事なトラップでそれを受けて、DFを背負いながら高速ドリブルでぶっちぎってゴールをあげたシーン。あれを思い起こしてしまうと、どんな華麗なパスワークによるゴールも、どんなパワー全開の豪快なゴールも、脳の彼方に霞んで見えてしまうのだ。このシーンから、自分自身が一体どんなサッカーが好きなのかが、薄々わかる気がする。

さて、あなたは、どんなスタイルのサッカーが好きですか?(笑)
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無題
>ウーベ・バインのロングパスから、福田が右腿を駆使した見事なトラップでそれを受けて、DFを背負いながら高速ドリブルでぶっちぎってゴール

今でも、一番浦和サポが興奮するシーンだと思います。
フィンケを支持していた(いる)人たちにも。
10歳から住んで40年近くたちますが、浦和という街のサッカー観が、「蹴っ飛ばして突っ走ってぶち込む」なんだと思うのです。
蹴っ飛ばすは、ウーベに失礼ではありますが(笑)。
たぶん 2011/02/09(Wed)21:01:58 編集
無題
映像で見ただけですが、2004年ぐらいの時のアウェイ清水戦で、自陣から永井が右サイドを突破してグラウダークロスを送って最後は達也が決めたゴールが好きです。
東京在住のサポ 2011/02/09(Wed)22:22:31 編集
コメントありがとうございます
たぶんさん
初めまして。
「蹴っ飛ばして突っ走ってぶち込む」、サッカーの基本であり原点はまさにそれなので、それで良いと思います(笑)
あのゴールは福田本人も自画自賛している素晴らしい形のゴールですね。精密機械と言われたバインのピンポイントパスにも、度肝を抜かれた時代でした。

東京在住のサポさん
おはようございます。
永井といえば誰も止められないドリブルですね。あのドリブルがレッズで観られないのは残念ですが、印象に残るプレースタイルを持った選手てすね。レッズはやはりドリブラーが似合うチームだと思います。
うえ URL 2011/02/10(Thu)07:29:10 編集
無題
こんばんは。

美しいサッカーはパスサッカーとか速攻とかの問題じゃないと思いますね。パス主体のサッカーの方が美しいと思っている人でも地味なパスと華麗なドリブルを見比べたらどう思うでしょう。結果がどうなるかは明らかですね。逆も一緒です。ドリブルでの攻撃こそが美しいと思っている人でも、強引なドリブルと華麗なパスを見比べればどう思うかは明らかです。

その記事を書いた人も、バルサの華麗なショートパスを繋いでゴールに迫るサッカーより美しい速攻やドリブルを見せられればどちらの方が美しいと思うかというと後者でしょう。

私がレッズの試合で美しいというより印象に残ったシーンといえば、永井がトップスピードに近いスピードで走りながら鋭いシュートを放ったシーンですね。あれができる選手はなかなかいないとか。その試合は、当時代表監督の岡田監督も見に来ており、そのシーンを見た岡田監督のペンが動いていましたが、結局召集はありませんでした。
アニメ統計学者 2011/02/10(Thu)18:28:03 編集
コメントありがとうございます
アニメ統計学者さん
こんばんはです。
永井の良い部分として、そのスピードを維持しつつ技術的なドリブル突破の流れから、正確で勢いあるゴールが奪えるという点がありますね。あのプレースタイルはある意味でモダンで、そして貴重だと自分も思います。
ちなみにバルセロナのサッカーに美しいというイメージを持っている人が、他のサッカースタイルを比べた場合に、どれだけバルセロナに思いこみが強いかでも違ってくると思いますが、その思いが強い人は他を認めない確率も高く、そうでない人は・・・という心情面でもだいぶ違ってくるでしょうね。自分がバルセロナのサッカーにあまり興奮しないのも、その逆バージョンかもしれません。
うえ URL 2011/02/10(Thu)19:28:58 編集
無題
おはようございます。
レッズの選手の中ではやはり柏木選手のプレースタイルが大好きです。彼のオフザボールの動き、つまりその動き出しやオーバーラップ、おとりの動きなどボールを持っていないところでの動きは秀逸です。4バックを主体としたスルーパスやシュートのスペースが生み出しにくい現代サッカーにおいては特に重要であると思います。
 こうした一見地味なプレ-ですが彼のような(汗かきの)動きが、チームとして連動して出てくるようであれば自分が好きなプレースタイルはレッズですと言えるようになるのでしょう。きっと何時か…。しかし柏木はボールのない所でよくがんばっているなあといつも思います。1拍手。
名無しさん 2011/02/11(Fri)22:00:00 編集
再度すみません
こんばんは。
レッズの選手の中ではやはり柏木選手のプレースタイルが大好きです。彼のオフザボールの動き、つまりその動き出しやオーバーラップ、おとりの動きなどボールを持っていないところでの動きは秀逸です。4バックを主体としたスルーパスやシュートのスペースが生み出しにくい現代サッカーにおいては特に重要であると思います。
 こうした一見地味なプレ-ですが彼のような(汗かきの)動きが、チームとして連動して出てくるようであれば自分が好きなプレースタイルはレッズですと言えるようになるのでしょう。きっと何時か…。しかし柏木はボールのない所でよくがんばっているなあといつも思います。1拍手。
りょりょ 2011/02/11(Fri)22:01:50 編集
コメントありがとうございます
りょりょさん
おはようございます。
スタイルの幅が拡がった現代サッカーでは、おっしゃる通りボールを持っていない時の選手の動きがひじょうに大事になってきますね。次に備えた察知能力の高い選手は、そういう動きも上手く、チームに意外性、落ち着き双方を与えてくれますね。
柏木もそういう部分に長けた選手ですし、激しいプレースタイルながら組織も壊さない、貴重な選手ですね。
うえ URL 2011/02/12(Sat)09:27:01 編集
同じシーンにしびれてます
はじめまして。私も記憶に残っている背筋が寒くなるような感動を覚えたのはあの瑞穂のシーンと福田選手がけがから復帰したあの駒場の清水戦のVゴールです。あの時当時の監督のオジェックが言っていたどんなハリウッド監督でも演出できない福田のVゴールだったねというコメントが忘れられません。あんな感動的なシーンがまた見たいです。出来そうな選手は今のレッズには沢山いると思うのですが。
ありさん 2011/02/16(Wed)23:48:18 編集
コメントありがとうございます
ありさんさん
初めまして。
ありましたねぇ、清水戦で14を付けた福田復帰Vゴールですね。あれは確かに震えましたね。福田は記録も凄いですが、記憶に残るプレーやゴールがひじょうに多いのも特徴ですね。巨人で言えば長嶋的な存在です。そういった超カリスマ的な選手、特に日本人選手がまたレッズに現れてほしいですね。
うえ URL 2011/02/17(Thu)07:26:00 編集
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