仕事でバタバタしている間に11月になってしまった。
11月は、自分の人生において実に関わりの深い月で、誕生日も11月なら、それ以外にも色々な出来事に見舞われた月も11月が多いのである。それは良い事もあれば悪い事もあるのだけど、とにかく11月は、自分にとってはそんな月なのである。
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2003年11月3日は、レッズにとっては念願の初タイトルを獲得した記念すべき日である。
昨年ナビスコ杯で決勝の国立にまで進みながら、最後の最後で鹿島相手に0-1で破れてしまったレッズは、その雪辱を晴らそうと、この年も見事に決勝まで勝ち進む。しかも決勝の相手は、なんとまたも鹿島だったのだから、これはサッカーの神様もまたも憎い演出をするものだと思った。これではまるで何かのスポ魂ドラマである。何故かその中でもスクールウォーズのシナリオを思い返してしまった。
福田と井原が引退し、トゥットや阿部敏之が移籍したレッズの陣容は、この年を境に大きく変わって行く。
ヴェルディから獲得したエジムンドが不可解な形でナビスコ予選わずか2試合で退団したものの、ガンバからはGK都築、そして札幌から山瀬を獲得していた。
啓太や長谷部の成長も著しく、2年目の坪井や平川がレギュラーとして不動の地位を築くとともに、円熟味を増した山田の存在も大きく、新主将ウッチーが堅実的にチームを引っ張った。
怪我を繰り返していたゼリッチがようやく安定感を取り戻すとともに、夏にはロシア代表DFニキフォロフも獲得。そして前線ではエメルソンと田中達也が快速を生かしてゴールを量産していた。
この期に及んで未だシーチケホルダー優先など存在しなかったナビスコ決勝チケットは、発売日前夜から例の地元の穴場で徹夜して獲得した。あの頃は若かった・・・
昨年から意識が成長したのは、クラブよりサポーターの方が一歩先だった。昨年決勝での並びの混乱や労力低下を防ぐために、ナビスコ決勝でも前もって抽選を行う方法が採られたからだ。この組織的ルールにより、レッズサポは定められた時間に国立に集合。後は番号順に何の混乱も無くスムーズに場内に入場出来た訳だ。しかもこの抽選、俺はかなり良い番号を引き当てたのだった。
また与野本町から仲間の車で国立まで来て、またホープ軒を喰うパターンは昨年と変わってはいなかったが。しかし曇っていたのと、昨年を教訓とした防寒対策のおかげで、寒さは幾分和らいでいたと思う。
去年と1日違い、晴天だった去年とはうって変わっての小雨交じりの暗天。しかし舞台は一年前と同じ。相手も同じ。その鹿島は怪我人や出場停止などで幾分戦力が低下していた事実はあったのだが、それに対してレッズは昨年に比べて明らかに戦力が充実している。そしてファイナリストも2度目という自信が身に付いていたし、”ここで勝たなきゃ何処で勝つ”的な初タイトル獲得を予感させる雰囲気満々だった。
そんな勢い充分のレッズに対し、鹿島はらしからぬ5バックとも6バックとも称された超守備的陣形で臨んで来たが、開始僅か13分でその守備的陣形をあっけなく打ち破って山瀬が先制した。
前半終了間際にエメと坪井が同士討ちで流血するハプニングはあったものの、後半にはエメ、達也、エメと、レッズの破壊力が爆発して、試合は4-0というレッズに圧勝に終わった。
余りの大差に、終了のホイッスルを待つ緊張感も半減してしまって、少々拍子抜けというのが本音ではあったが、それでも初タイトル獲得という事実に、身体は震えていた・・・
表彰式を見届けた俺らは意気揚々と一路浦和へ。
これからチームが駒場に凱旋するというので、そこで再びチームを祝福しようと、俺らも駒場に向かったのだった。
駒場に凱旋したレッズとレッズサポ。そこで、エメがオフトの肩にしがみついて子供のようにピョンピョン跳ねながらはしゃいでいる、それをまた優しい笑顔で受けているオフトの姿が印象的だったな。
この後、なぜ俺らは浦和ではなく北浦和で美酒を飲んだのかがわからない。普通なら浦和に行くのだろうが、何故かこの夜は北浦和に足を向けてしまったのだ。その北浦和は、レッズが初タイトルを獲得した日とは思えないような静けさに包まれていたのが妙だった。きっとみんな浦和に行ってしまったのだろうけど。
ガランとした居酒屋で、「やっと、初めてタイトル獲ったなぁ・・・」そればかりが言葉に出る、記念すべき日なのに妙にしんみりした夜だった・・・
翌朝、出社前に必殺のスポーツ新聞買い占めを敢行。赤いトップ面を期待し胸躍らせてコンビニに向かったのだったが、そこで見たものは「小久保巨人へ電撃トレード」だった。
これにはさすがにズッコケたが、中面は赤一色。「レッズ初タイトル」・・・その隣には、『オフト辞任』というショッキングな文字が並んでいた。
ここから、レッズは黄金期への道を歩むことになるのだったが・・・
さらにそれから数日後、俺自身のその後の人生を大きく変える出来事が起きるのだが、それはまた別の話。
今から思えばこの年の11月は、レッズと俺にとって、大きな転換期を迎えたように思えるのだった。
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2003年11月3日/国立競技場
ヤマザキナビスコ杯決勝 鹿島0-4浦和
得点/13分・山瀬(浦)、48分・エメルソン(浦)、56分・達也(浦)、86分・エメルソン(浦)
観衆:51,758人
そんな前ではないはずなのにもういないメンバーの多いこと多いこと^^;
あとでいい思い出になるように今は今のメンバーとがんばってなんかいい試合をみたいです。
これからも楽しみにしています!
個人的にオフトの規律はあまり好きではありませんが、今思えば、それがあったからこそ選手達は迷いなくプレーできていたんでしょうね。
考えることができない選手達には、オフト的厳格規律が必要ですかね。
しかし懐かしいです。繰り返しになりますが、あの時は誰もが迷いというものがありませんで、本気で闘えました。
こんばんはです。
あの時のメンバーの半数はもういないのですから、時代の移り変わりというのは早いものですねぇ。
今の若手も、立派な一時代を築けるように頑張ってもらいたいですね。ユース組を中心にタイトルが獲れたら最高ですね。
せるためさん
こんばんはです。
オフトの時代、1年目って今年のフィンケ体制の時と似ているかもしれませんね。そうなると来年は、とも考えてしまいますが・・・
あの時代は選手層も充実しつつ、規律あるチームとして生まれ変わった時期でした。もう一度、基礎からそういうチームを目指す時ですね。
1年前の同じ日、試合開始前に国立のメインにもバックにも数え切れないほどのLフラッグが掲げられました。
その時も感動したのですが、2003年は国立をぐるりと0.8周するレッズのビジュアル。多分、あれが初めてですよね。
正直、鳥肌立ちましたね。
そのスタジアムの光景を見て、いろいろあったけど、ずっとこのチームのサポでホントよかったと、つくづく思いました。
私は家族4人でメインだったんですが、後ろで鹿島サポのオバサンが「見えないじゃないのよ。」と怒ってましたが、お構いなしです。
試合後は、雨でよかった、子供の前で涙を隠してくれるから、と思いましたね。
坪井とエメルソンがぶつかって治療のために数的不利に陥っていた時間帯を凌げたのが大きかったんですよね。
あの頃の攻める姿勢がほとんど見られないのが…。
選手はあのVTRを見て気持ちを奮い起こしてほしいものです。
話しは違ってしまうのですが、昨日はレディースのリーグ最終戦に行って来ました。
前半だけで5―1だったでしょうか 圧倒的な強さで後半に入り、少しはラクなサッカーが出来るかなと思いましたが、私が見てる限り前半と同じサッカーをしていたと思います。 強いですね、選手権の方も頑張ってほしいです そして元日に国立へ…
トップも頑張ってくれ―
失礼しましたm(_ _)m
おはようございます。
鹿島地帯以外、グルリと一周する超大型ビジュアルは鳥肌モノでしたね。あれは本当に凄かったです。
>試合後は、雨でよかった、子供の前で涙を隠してくれるから
くぅ~、なかなか上手い表現ですねぇ。またあの雨の日の感動が蘇ります・・!!
藤沢雄二さん
おはようございます。
そうなんです、あのエメと坪井の大流血で一時2人が治療で退いていた時間帯、あそこを耐えたのは本当に大きかったですよね。頭を打ちながらその後の2ゴールのエメ、視界が遮られた状態で後半も無失点に守った坪井のガッツも凄かったです。
あの気持ちの入った戦いをもう一度・・・
おはようございます。
エメと坪井をはじめとして、あの頃のレッズはまさに若さ爆発、勢いもあり、そして戦っていましたね。ベテランが抜けて新しい選手が頑張らなくてはという必死さもありましたね。
ありゃ、翌日高熱ですか(汗)、優勝の興奮と雨の寒さが混ざってしまったのでしょうか。ある意味で忘れられない試合でもありますね。
オレッズさん
おはようございます。
レディースの方もお疲れ様でした。今年は女子の活躍が目立っていて、これは逆に男子の方が女子を見習う部分もあり、これが良き相乗効果に繋がれば良いと思いまする
レディース、まさに無敵の強さでしたね。来季は男子が頑張る番ですね。
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