忍者ブログ
浦和レッズが好きなすべての人々へ捧ぐ…
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6]  [7
今季は年末にクラブワールドカップという一大大会が存在した為、天皇杯決勝が12月初旬開催も珍しくなくなった昨今、今年のレッズにとっては日本のクラブチーム最長スケジュールのシーズンを送る事になり、世界のクラブチーム全体を考えても、大陸代表としてほんの一握りの出場権を得られて、サポーターとしても、年の瀬まで応援するチームの戦いを楽しめた1年であった。
例年は余裕を持って早目の総括をする自分も、上記の理由により、今年は本当に年の瀬も年の瀬の年末が押し迫った状態で、少々慌ただしい時期での総括になる。


本来であれば今季は、2月という厳しい時期にACL決勝の開催が決まっていた為、慌ただしいスタートになるかと当初は覚悟していたが、各方面の様々な苦力により、ACL決勝が5月開催に延びたのは幸運であった。
仮に当初の予定通り2月に開催されていたら、新監督体制の下で、全くチームが出来上がっていない、補強も遅れている等々、明らかに著しい不備の状態で戦う羽目になり、この完全不利な状況からしたら、恐らく優勝という歓喜は得られなかったであろう。それはリーグ開幕2戦の連敗劇からでも明らかであり、誰しもが想像していた筈である。
これが5月に延びた事は、レッズにとって大きな幸運であり、そして結果的に、今季のレッズの最初にして最大であり、最後の幸運になった。
何故「最後の幸運」と表現したかの理由は後述するとして、何れにしても、これにより日本のサッカー史上どころか、どのアジアのクラブチームでも成し得ていなかった、ACL3度目となる優勝を達成した。この快挙により、レッズにとって以後も、更なる華々しい道程が待っていると、この時点では多くの関係者、ファン・サポーターは期待していた筈である。

ここで話を昨年に戻す。
2シーズン目のリカルド体制に暗雲が見え隠れするようになった昨年中頃から、クラブは早々に現体制に見切りをつけて、次期ポーランド代表監督とも目されていた同国の名将と、早々に契約を結んでしまう。
この素早い判断と決断は、近年には類を見ないクラブの動き方として、過去のように後手を踏まない為の学習材料が生きた形と評価できる。発足当時は素人人事とまで酷評されて赤子同然だった強化部が、数年間の経験で培って来た経験の成果とも言える。

強化部は同時に、当然ながら選手編成に於いても、ステップアップを図った。大きな戦力でありながら、不満分子と見たユンカーや江坂を躊躇なく放出し、欧州でも世界レベルの選手と次々に接触を図る。
ここまで得た内部留保や税金対策、そして三菱の支援もあり、豊富な補強資金の捻出が可能になっていた時期。これにより強化部は、ワールドクラスの選手を次々にリストアップしては、獲得に向けて積極的に活動を開始する。欧州の第1戦クラブで活躍する様々な選手の名前が上がる中、W杯オランダ代表のデイリー・ブリントはその筆頭株であったし、水面下では様々な大物クラスと接触していた筈である。
ところがここで思惑が外れる。獲得を狙った大物と尽く交渉が外れては、開幕前に成功した外国人補強はマリウス・ホイブラーテン僅か1人。既に攻撃面の重大かつ重要な選手を何人も放出していながら、レベルアップどころか穴埋めする選手の補強すら満足に至らないまま、興梠復帰という形だけを隠れ蓑にして開幕を迎える事になる。

監督人事では先手を打つも、選手人事では放出に対して補強が遅れて後手を踏んだ、つまり前年の過ちの繰り返しである。
それでも大魚狙いの方針を崩さず、またも表面化したギリシャ代表ギアクマキスという大物を、5億とも6億とも言われた資金を盾に追い掛け続け、メディカルチェックまで完了させておきながら、寸での所でアトランタに同選手を攫われる大失態を引き起こす。 既に後戻りが出来ない替えの効かない時期でのこの失敗劇は、以後に取り返しの付かない不備となる。
しかし大物補強に挑戦した事実を評価するか、尽く失敗した事実のみを評価するか、考えは人それぞれであるが、最終的に結果が全てのプロの世界に於いては、成功と失敗の評価の違いは明確である。強化部が身の丈に合わない仕事に拘り続けて、肝心の足元を見ながら地に足を着けた仕事を怠った事実は変わらない。

このようにレッズの現強化部は、大きな二面性を孕んでいる。長く続いた国内レベルの強化人事から脱却し、本気で世界に目を向けて、計画性を掲げて変革を開始してから数年が経過し、そこには成功も失敗も明確に繰り返して来た。
明確だからこそ対する評価も明確であり、成功すれば大きく評価され、失敗すれば大きく非難される。そして大きな影響を及ぼす。これを恐れず安全圏に留まらず、常に成長を続けようとする為には、常に大きなリスクを孕みながらの活動は必要になる。それが例え身の丈に合わない行動だとしても、挑戦しなければ話は始まらない。
そこは重要な部分であるが、もうひとつ重要なのは、挑戦から失敗も、同じ過ちを繰り返さない事である。現強化部は発足当時から様々な失敗を経て成功を収めて来た部分があり、そこは失敗から学び成長して成果に繋げるという形に表れているが、対して毎回の様に同じ部分で失敗を繰り返しているのも事実で、今季は選手人事がそれであった。
では果たしてこの失敗を来季にどう生かすか、その明確な行動が現状の通りである。動きの速さや明確性は、明らかに昨季より成長している。但しこれを何処まで成功に繋げられるかは、これからの経過を見るしかない。

さて自分は冒頭でACL優勝までの道程から「最後の幸運」と書いた。実際のところ、レッズがACL優勝に向けた過程は、勿論そこに力を注ぎ込んだクラブとチームの努力の賜物であったとされるが、余りにACL決勝に注力した結果、そこで多くのものを使い果たし、その後に力を振り絞る肝心の段階に於いて、最後の一押しが出なくなってしまった。
これは補強の不備や、チーム運営の不備は当然ながら影響しているが、そのような直接的な部分以前に、シーズン当初に実に巨大なタイトルを手に入れてしまった達成感と安心感から、精神的に落ち着いてしまい、その後の戦いに於いて、ハングリー精神が出難くなってしまったと思われる。
クラブにとって、そしてチームにとって、精神力の低下は成長を続けて行く上で実に致命的で、精神が強く保てなければ、本当の向上心も生まれない。故に本当の実力も発揮されない。運も実力の内と言うが、これも強ち嘘ではなくて、運というものは努力と実力が伴ってこそ自ら手繰り寄せるものである事を考えると、ACL優勝を成し遂げるまでのクラブとチームの集中力と努力は並々ならぬものがあり、だからこそ様々な幸運にも恵まれて大きな目標を達成できた。
しかしそこで燃えていた大火が鎮んだ途端に、勢いは薄れて、それが様々な部分に悪い影響を及ぼして行く。だからこそ運も逃げて行く。

後一歩で優勝を逃したルヴァン杯も、優勝争いに加わりながら終盤にあと一押しが出ずに最終節を待たずに脱落したリーグ戦も、そして新たなACLでのまさかのグループステージ敗退も、上記が原因であるところが大きいと感じさせるシーズンであった。
ACL決勝まで、あれだけ幸運にも恵まれていた状況から一変、その後は運に見放されたような試合が数多くあった事も考えると、ACL優勝以後から薄れて行った向上心が低下したクラブとチームに、もはや幸運の女神は微笑んでくれなかったのだ。冒頭で自分が「最後の幸運」と表現した所以がそれである。

そして失速の原因を追及するに、避けては通れない部分として、監督であるスコルジャの、早々の退任決定がある。
スコルジャが何時時点で自らの退任を決意したか、家族の問題とされる理由も、スポーツ界でカモフラージュに使用される常套句故、本当の退任理由は現在のところ藪の中であるが、何れにしてもスコルジャ退任の噂が流れた初秋頃から、明らかにチーム全体のモチベーションが低下して行った。開幕直後は監督への賛辞を惜しまなかった選手達も、秋口頃から口を噤ぐようになった。堂々と監督の指示を無視する選手さえ現れた。
この理由は明白であり、表にも出ない内から監督退任の噂は、チーム内には既に流れていたであろう事を考えると、就任1年にも満たない監督では求心力も完璧ではない、未だ未だ手探りの部分もある中で、来季は存在しない人物に対してのアピール度や評価そのものは低下して当然であり、モチベーションに確実に影響を及ぼした筈である。
クラブが何処まで本気でスコルジャを慰留したか、若しくは箝口令を敷く事は出来なかったのか、クラブの姿勢にも大きな疑問が残るが、スコルジャが退任を匂わせた頃から信憑性がある補強の話も激減したし、夏の補強も即日性があるものとは言えないレベルに留まっていた事を考えると、クラブとしては内面ではスコルジャに見切りを付けて、来季を見据えて早々に次期監督人事に動いていたと思われる。その証拠にスコルジャ自体の戦術の引き出しの手詰まり感から見て、本来クラブの設定したコンセプトと相反するものになっていたし、ヘグモの件は、スコルジャ退任報道と殆ど間を置かずに報道されている。

それでもスコルジャの存在は、初期のチームには強烈な存在として君臨した事実は疑い様はなく、就任から短期間でACL優勝を成し遂げたチーム運営の力は、素直に高く評価されるべきである。
自分はその達成事項が如何に前体制からの引き継ぎ、継続性が存在していたとしても、物事を成し遂げた時点での体制こそが、一番の事実であり真実として評価されるべきと考える。
だからこそ、その後のスコルジャとクラブの関係性に不可解な部分を見てしまったし、しこりが残ったのは残念である。

既に退任が決定している体制下で、疲労に鞭を打ってクラブワールドカップを戦った選手達の、精神的かつ肉体的な負担は計り知れないが、体制初期に大きなタイトルを獲得し、総計60試合という近年稀なる試合数を戦って来た体制が、僅か1年限りで終わる虚しさがある。

レッズの現強化部は二面性があると書いたが、果たしてこれを一面性に近付ければ良いのかと言えば、決してそうではない。過去の悪しき考えを捨て去ろうとしながらも、抽象的な表現ばかりで具体性に乏しく、形だけでもコンセプトを決めてスタートしたかつての素人人事は、今や自らの足で動けるまでに成長したのは事実で、そこには失敗と成功、悪い部分と良い部分があり、時に矛盾も発生させながら、その評価も人により大きく別れて来た。二面性が明確故である。
現強化部は偏った過去とその環境を善とせず、常に各方面にアンテナを張り巡らしながら、その動きを止めていない。寧ろ年を増す毎に活発化させている。その現状が、今季に早々の見切りをつけ、来季に向けた明確かつ素早い動きであったと評価したい。

Jリーグ史上またも前代未聞の問題を引き起こした制裁により、来季は天皇杯出場権剥奪という、大変厳しい制裁下でのクラブチーム運営を迫られるが、この事件も変革のひとつと受け入れて、フロントと一部サポーターの悪しき関係にも、今度こそ楔を打ち込む機会になればと思う。
フロントと強化部は飽くなき探求心を保ちながら、失敗を恐れず失敗から学び、明確に迅速に動き、一時の評価に左右されずに、引き続き変革を推し進めてほしい。そこに良い未来が待っていると信じて。


さて例年はシーズン総括と書き納め記事を別々に書けていた当ブログも、冒頭で既述した通り、今年はクラブワールドカップ出場でスケジュールが年の瀬まで続いた事より、すっかり年末となった今、今年の当ブログは、このシーズン総括にて書き納めとしたいと思います。
本来ならば安定した穏便なシーズンの終了を迎えたかったものの今年も叶わず、しかし来季は制裁下での新たな指導体制により、再び不安と楽しみが半々のスタートとなりますが、それを通しながら数年に渡り変革を進めて来たクラブの、3度目の正直に期待しつつ、今年を締めたいと思います。
周知の通り、既にストーブリーグが始まっているので、もはや過去は過去、ここからは来季に熱い眼を向けて、英気を養って行きましょう。

今シーズンもお疲れ様でした。そして当ブログにお付き合いいただき、今年も1年ありがとうございました。また来年もよろしくお願い致します。

皆様、良い年をお迎えください。
それでは。
PR
あーあ、今か今かとギアクマキスを待ち続けていたら、1月も終わって2月に入っちまった。今年も後11ヶ月で終わりか。1年は早いな・・・。

いくら絶望的というか終了なのは理解していても、どんでん返しが繰り返された以上は、最後の最後で大大どんでん返しの可能性だって否定は出来ないのだから、一応今日の17時までは往生際悪くアホみたいに待っていたが、さすがに本当にアホみたいなので、もう諦める。

この連日のギアクマキスの動向に、一喜一憂する毎日の中でも、本心は凄く期待していたのに、それを裏切られたかのようなこの数週間に費やした精神的疲労は、一体何だったのだろう?少し空虚感も漂っている自分の気持ち。
反面で、セルティックに6億円近い移籍金ぶっこんで、更にギアクマキス本人に数億円の年棒を充てた挙げ句に、この選手が期待通り金額通りの活躍をしてくれなかったらどうしよう?という嫌な心配もしていたのも本音だから、来ないとわかった時点で少しホッとしたのも事実である。
まあこんなネガティヴな事を言ってしまうと、それなりの選手を獲得する夢も希望もヘッタクレも無くなってしまうから、そこは本当は考えたくない部分なのだが、しかし人間は歳を重ねると、夢や希望より現実的な部分を優先して考えるにようになるから、どうしても費用対効果で金の心配をしてしまうのだ。まあ反対に身体だけ歳とっても、精神年齢はお花畑のままでも困るのだが。

しかしブリントから続く今回の一連の出来事で、当初は疑問視していた獲得に費やす大金費用の存在に対して、三菱重工が補強資金を提供してくれていた事が判明しただけは良かった。
まさか自転車操業で無理くり大金を捻出しては、途中でズッコケて、後々に赤字決算に陥りでもしたらどうしよう?と心配していたのだが、しかしその大金の出所が親会社だとわかったのは安心である。
となると損失補填が無く独立採算でやっている今のレッズと、重工との契約に少し変化した面があるのだろうか。まさか連結子会社にでも戻ったのか?いくら世界の三菱とはいえ、単なるスポンサー料という形で何億円も助けてくれる程、重工って財布の紐が緩い気前良い会社だったっけ?いやそこが同じ三菱でも、大大親分の重工と、孫のような自工との違いか?

何れにしても、新外国人のセンターフォワード獲得に向けた補強活動は、Bプランに切り替えての継続中であるから、次なる問題は、そのリストアップされた選手と、オファーしている選手の名前である。
もう現時点では未だフリーの選手か、既に契約済選手を再び大金ぶつけて引っこ抜くしかないから、ギアクマキスを逃した以上は、更なる難しい仕事をしなければならない。

候補にミカエル・イシャクなど数名が噂されているが、実のところオファーを出したなら出したで良いが、そうなるとギアクマキスとの時系列が疑わしい。
メディカルチェックまで受けたギアクマキスに、直後にアトランタから再度の横槍入れられて破綻した時点で切り替えたのか、本当はギアクマキスより前にリストアップやオファーをしていた選手の名前が、今になって遅れて表に出で来ている可能性も無きにしもあらずだ。
特にスコルジャを慕い志向するサッカーも熟知するイシャクは、普通に考えたら、本来であれば、そのスコルジャ合意とセットで、真っ先にオファーを出していてもおかしくない存在。またはスコルジャが真っ先に、懐刀みたいなイシャクへのオファーを希望していても不思議ではない。
それが今になってオファーとは、事実であれば現実的なタイミングがズレているというか、遅過ぎるのではないだろうか?実際オファーしたものの、レフ・ポズナン若しくはイシャクに断られて、その次がギアクマキスという流れだったとは考えられないだろうか?その方が現時点には、有り得ると思うのだが・・・。

取り敢えず今のところ、出所が不透明ながら、イシャクにオファーを出したという話が事実であってほしいが、その出所不透明な話でジョナタン・カレリとかバルナバシュ・バルガとか、本当に何処からそんな話があんのよ?って選手も浮上しているし、以前は某マケドニア代表にも断られていたなんて話も出たから、こりゃもはや何が本当か何が飛ばし話なのか、もう訳がわからん。

まああれだ、こうなってしまった以上は、懸念されているように焦ってパニックバイを起こして変な選手を掴まされたら本末転倒。ギアクマキスも、どうも評判の良くない代理人に振り回された部分があったみたいだし、とにかく今はそれを学習材料にしながら、一旦落ち着いてから新たな選手を求めるべきが最良。
クラブは、鳴かぬなら、鳴くまで待とう、不如帰な状態で構わないし、サポーターは、獲れぬなら、獲るまで待とう、ほっとこうだ。

しっかし、こうしてセンターフォワードの獲得に失敗し続けているのもキツいが、ぶっちゃけリンセンや興梠や髙橋が居る最前線より、2列目の司令塔タイプが小泉しか居ない以上、そこのポジションのパスを出せる新外国人MFを探した方が良かったのでは?とも思うようになって来た。
ただ以前にも書いたように、スコルジャの戦術にゲームメーカーは必要かが疑問なのと、センターフォワードで騒いでいる以上は今更ジローな話ではあるが。

だが本当にキツいのはオイルマネーを期待した岩波が、まさか戻って来ちゃった事かもしれないが、マリウスを獲ってショルツに犬飼に知念に、そこに岩波って、4バックのセンターバック2枠に控えも主力級が3人居るって、いくら居ても損は無いとはいえ、どう考えても過剰人員だ。今更3バックに変えるか・・・?

でもこうしてストーブリーグにかまけるのは今日で終わり。日程発表から長距離アウェーの安宿も何点か確保しつつ、昨日はアウェーマリノス戦のチケットも買った訳だし、クラブも新社長の挨拶と今季スポンサーを発表した事だし、サポーターも、そろそろ試合そのものに気持ちを本格的に戻さないといけない。
自分も本格的に始動だ、始動。
まだ来年2月にACL決勝が残っているものの、今年の試合は先日のフランクフルト戦をもって最後の為、これで今シーズンを締めての、総括で気分を一新してから、ワールドカップモードに移行する事にしよう。

フロントが3年前に大胆に掲げた、3年でリーグ優勝を目指すという3年計画の最終年。つまり3シーズン目が今季であった。
その結果は、周知の通り。リーグ優勝どころか、その優勝争い、いや上位争いにすら絡む事なく、それどころか逆に、シーズン序盤の躓きが尾を引いて、一時は残留争いの可能性すら見え隠れしながらのチーム運営に迫られるという、目標に対して内容と結果が著しく乖離する、何ともお粗末なシーズンになってしまった。

何故このようになってしまったのかを考える前に、そもそもフロントと強化部とチーム各々が、果たして目標のリーグ優勝を、一体何処まで本気で突き詰めていたのかを先ず考えよう。

言うは易く行うは難し、とのことわざ通り、口で言うほど目標の達成が簡単ではない事は、恐らく日頃から多くの人が理解しているだろうが、後からそれを言うには、例え結果が伴わなかったとしても、では目標に対して、何処まで、目標に見合った内容、矛盾を生じさせずに、物事を進められていたかという、この中身を分析する事は、反省材料を見付けて次に活かす為に、ひじょうに大切である。

クラブは、今シーズンを迎えるに先立ち、例年に比べて多くの選手を放出している。しかもこれまでのクラブの性質から考えたら、簡単には放出しないであろう功労選手の戦力外や、1年前に獲得した選手数人を。僅かその1年限りで手放す荒事業も慣行した。
ここから読み解く部分として、高年棒選手の放出割合が高い点。放出対象は稼働率が比較的高かったベテラン選手も多く含まれている。これから察するに、コロナ禍による財政面での苦しい台所事情があったのは間違いない。資金的に余裕があれば契約更新が可能であった選手も、コロナ赤字が影響している最中では、来季に絶対的な主力として見込まれる以外の高年俸選手は、とても抱えきれる余裕は無かったと思われる。その証拠として、ベテラン選手であれ高年俸選手であれスタメン率上位順に残され、それ以外のベテラン選手と高年俸選手は全て放出されている。
ところがこれは、1年通して監督の戦術を培い植え付けた選手の多くを、一気に失うという事も意味する。戦術の血の極端な薄まりである。

つまりここで疑問と矛盾が生じる。何年もの年を跨いだ計画を達成するには、チームを知り監督の戦術に慣れた選手を出来るだけ長く継続して保有するのは、当然の手段である。ところがクラブはその定石に反して、多くの選手を放出した。
これで戦術理解に関してはリセット率が高くなり、大量とも言える新加入選手に、1から戦術を植え付ける必要性が発生した。
時間の要するこの作業を大量の新加入選手に施しながら、しかし残された1年でリーグ優勝を目指すのである。先ずここからして、そのハードルが高くなった。

しかしその穴を埋める為に、戦術理解度が早いと思われる選手や、監督の戦術の性質に合っていると思われる選手を獲得した。
しかもコロナ赤字に影響されないよう、前年に比べたら明らかに年俸の安い選手も多く獲得しコストダウンさせ、このコストを抑えながら、若返りも狙い、浮いたコストで高年棒の主力を残しながら、状況に応じて新外国人数人を獲得して行くという、自転車操業のような選手編成と補強方法を行った感がある。

この編成を見た場合、決して戦力ダウンではなかった。ただ新外国人選手は別としても、現有戦力を著しく脅かすような日本人選手を多く補強した訳でもない。つまり戦力アップに成功したとも言い難い。
しかし、監督自身も補強に深く関わっていた以上、チームも前年のJ2からの補強の成功例に則っての、引き続き変わらぬ補強目線で、期待と満足感を抱いていた節がある。
しかも予期せぬ事に興梠が自らの希望でレンタル移籍した。これで真の意味でのFWはユンカーと木原のみ。ユンカーは爆弾を抱え、木原はあくまで高卒新人。つまり完全に計算可能なFWが皆無な状態で開幕を迎えるという異常事態。不安要素を抱えたままのスタートになった。

新外国人来日の遅れや、開幕直前のクラスター発生は不利な要素を生んだが、しかしそれはコロナ禍故の、他クラブチームでも発生し、また発生しうる状況であり、去年の総括でも書いた通り、コロナ禍が原因による悪条件に関しては、全てのクラブチームが負っているリスクとして、同等に考えて扱わなければならない。つまりこの部分だけは言い訳にはならない。
強いて言えば、外国人を含めた主力選手が数人を除けば怪我やコンディション不良の繰り返しで、シーズン通して本当の意味でのベストメンバーが組めなかった不運はあった。
だがその原因が何処にあったのか。何故に多くの選手が次々に離脱を繰り返す羽目になったのか。果たして補強選手に関する事前の調査に不備は無かったのか。そもそもメディカル体制は機能していたのか。ここは大いに疑問と不振を抱く部分である。

リカルドの求める部分も何処にあったのか。就任1年目はポジショナルサッカーを基礎としながらも、豊富な運動量から高い位置でのハイプレスとショートカウンターを多用して成功した部分があった。
ところが、2年目の今季は異常なまでにボール保持率を求める要素が高くなり、これでポゼッション率や得点期待値は飛躍的に上がった代わりに、内容に柔軟性や速さが激減して、相手の急所を突けなくなり、決定機は多いのに決定力は低いという矛盾する内容に陥った。故に煮え切れず勝ちきれない試合が増えた。
リカルドは1年目に「もっとボールを保ちたい」と公言していたところから、2年目からそれを有言実行で実践した形とも言えるが、その狙いが攻撃力はともかくとして、勝つ為に一番肝心の得点力の質の低下を招いた形である。

これら全てを踏まえた上で、では今季開幕前にフロントと強化部とチームが、3年計画の最終年に目標を達成する為に、果たして人事を尽くす事が出来たのか?と問われれば、疑問や矛盾を生じさせながらの準備をしていた以上は「否」と見るしかない。つまり穴は幾らでもあったが、その穴を埋めるには、不十分さは大いにあった。

それでも、前年の成功に近い成績や、強化部の目に見えた組織化と成長がある以上、それが隠れ蓑になり、確実に不安は存在していたものの、明確な危惧要素に繋がらなかったところに、大きな罠があった。
しかも開幕直前に行われたスーパーカップで、リーグ戦前年王者に完璧に近い形で勝利を収めた事が、逆に期待値という形の拍車を掛けて、不安要素を薄めてしまった。勝利が悪い隠れ蓑にもなる皮肉な形だが、今から思えば、このスーパーカップが今季のピークだったのかもしれない。

決して極端な悪条件でシーズンをスタートさせた訳ではないが、かと言って確実性がある体勢でスタートした訳でもない。つまりボンヤリとした不安は確実に、常に存在していた。
この中途半端な状況が、多くの試合で勝てず勝ちきれずを生んでしまったのではないだろうか。そして内容も数字も結果も、全てが中途半端に終始した。
疑問、矛盾、ボンヤリとした不安、全てが中途半端だった。もうこの要素に尽きるだろう。

そもそも2年前から振り替えれば、継続性を重んじていたのならば、3年計画の1シーズン目がどんな内容と結果に終わろうと監督を交代させていなかった訳だし、2シーズン目で選手の契約面がどうなっていようと、ここまで選手の膨大な入れ換えなど行わなかった筈である。
この流れから見るに、3年計画の3年間そのものが、疑問と矛盾を積み重ねて来た計画だったように思える。

そしてクラブは、失敗に終わった3年計画の最後の最後で、またも大きな疑問と矛盾を発生させた。
リカルドの契約満了。続投せず。2年間の継続体制は、ここで失われる。
継続性とは何なのか。過去の行き当たりばったりの運営を反省材料に、他のクラブをもお手本にしながら、今度こそ絶対にブレないクラブとチームのコンセプト構築を目標に、運営して実行しようと努力をして来た3年間は一体何だったのか。3年計画とは一体何だったのだろうか。
クラブは、3年計画そのものは表面的には一区切りとしながらも、内面的には引き続きコンセプトを継続して行く様子はある。だがそこは何もかもが未完成で道半ば故に、模索して行かなければいけない部分が多く残されている。根拠を伴った動き方が可能になるまでには、まだまだ時間が掛かるだろう。
3年計画では足りなかった部分を、引き続き手を緩めず埋めて行くしかないのだが、その猶予を改めて何処に設定するのか。それを見るには、新たに就任した監督による新体制下での、次の段階を待つしかないのだが・・・。

但しひとつだけ。今季の成果として、レッズがACLの決勝にまで進出しているという成績の事実は、素直に評価しなくてはならない。上記で指摘した矛盾さをも露呈したシーズンを象徴するかのように、国内での戦いは不振を極めながら、アジアでは決勝進出という、これこそ矛盾そのものの成績ではあるが、同じ例は過去レッズで何度も起きている現象であり、それだけ国内とアジアでは性質が違うと考えれば良い。
コロナ禍による各参加国の制限からレベルの低下や、レギュレーションそのもが疑問視されるなど、様々な指摘を受けている大会ではあるが、それでも厳しい環境で東アジアの戦いを勝ち抜いて、4度目の決勝進出を成し遂げたのは、レッズである。それは動かざる事実であり、そこは余計な卑下をせずに、胸を張って優勝を目指して行けば良いだけと考える。
しかも今回の決勝進出は、昨年末に天皇杯を征して、3年計画の2シーズン目の目標通りに得たACLの出場権を、見事に生かしたものである。つまりこの部分だけは3年計画内の成果として、今も繋がって生きているのである。
ただ願わくば、それを成し遂げた監督の下で決勝を戦いたかったが、もはやその希望は叶わぬまま、クラブとチームは、新たな戦いに向けた準備に再スタートを、きる。


という事で、今シーズンもお疲れ様でした。
この時期でのシーズン終了は異例なだけに、ここから長い空白期間が生まれますが、それだけに鋭気を養うにはじゅうぶん過ぎる時間も取れるという事で、それを踏まえながらワールドカップを楽しみつつ、例年の如くストーブリーグに一喜一憂しながら、先ずは2月のACL決勝に向けて、しっかり準備をして行きましょう。
話題が少ないってのもあるが、すっかりサボってしまった。今年のオフは去年の天皇杯決勝進出と今季の開幕が例年に比べて著しく早いという事もあり、何だか天皇杯優勝やストーブリーグで騒いでいたのが、まだ昨日のような出来事かと思える位にあっという間で、じっくり腰を据えて休めたとは言えない部分もある。
そうは言っても、富士フィルムスーパーカップのチケットも発売された事だし、自分もそろそろ始動準備にかからねば・・・。

ってか、そのスーパーカップのチケットは無事にレッズ側ゴール裏であるカテゴリー5南が当選したのは良かったんだけど、抽選申込みでは当然だが席番が選べないのは仕方がないとしても、当選メールにもサイトログイン先にも席番が表示されていない、つまりセブンイレブンで紙チケットを発券するまでは、自分の席番がわからないという不親切さである。メールの何処を探しても席番が載っていないから、一瞬自由席に戻ったのかと勘違いしたぞ。
Jリーグって、こういうお役所的なところがなぁ。検査シートしかない一般販売も、検査時間順で細かく値段を変えるとか、何かよくわからないトンチンカンな売り方をしているし。いくら一般席より安くて無料で検査をしてくれるとはいえ、当日に陽性ならばチケットも交通費も無駄になり、しかも保健所に連絡されて即刻自宅隔離になる大リスクがある訳だし、只でさえ無症状でも陽性者が続出中なご時世なのに、これで検査シートを買った人から、当日に陽性者が大量発生とかにならなければ良いが・・・。

さて開幕前の最後の1ピースと言われていたFW補強は、ここ1ヶ月で外国人を含めて何人かの噂や報道が上がったものの、一向に正式発表が出ないママである。
水面下で何処まで動いているのか見えない部分はあるが、噂止まりだった感があるキプロス代表ピエロス・ソティリウは未だしも、先日名前が上がったオーストリア代表トーマス・ゴイギンガーは明確にレッズと交渉の事実が現地報道された訳だから、西野TDの言葉通り動いている事は動いているのだろうけれど、日本の時代遅れの外国人入国制限のせいもあり、ちょっと苦戦を強いられているようである。
これを考えると、モーベルグはよく日本に来る気になったと不思議に思うが、レッズがモーベルグと交渉を纏めた時期は、恐らく入国制限がここまで頑なに継続されると思っていなかった節はあったと思う。仮に後少しでも交渉時期が後ろにズレていたら、モーベルグも何時入国できるがわからない日本行きには躊躇したんじゃないのかな。まあこれも、強化部が早目に動いていたからこその賜物と思いたい。

それにしても、ゴイギンガー本人は乗り気でも、LASKリンツが放出を拒んで決裂したらしいとはいえ、まだ24年まで契約が残る選手に高額な移籍金を用意可能な資金力があるのだから、多額のコロナ赤字が発生中のレッズでも、財政面でかなり頑張っているのだろう。
勿論その為に多くの中堅〜ベテラン選手を放出して、代わりに年俸の安いJ2勢を多く獲得するなどして資金を浮かせた事実はあるのだが、それでも犬飼など何人かの選手は決して安くない移籍金を払ってまで獲得している訳だし、去年獲得したユンカーやショルツや酒井を始めとする高年俸の選手を維持しながら、その上でモーベルグも獲得して、引き続き欧州から移籍金を払ってまで選手を引き抜こうとしている貪欲さ。
かつてのように国内から移籍金ゼロの外国人ばかりを狙ったり、安易に南米からブラジル人を漁らないで、エージェントとしっかりパイプを繋げて欧州からの獲得を継続している辺りは、決してブレずにコンセプトを高めようとしている強化部の一貫性が感じられる。
この裏には、何としても3年計画の3年目を達成しようとする、フロントの資金調達の努力がある訳だが、シーチケ継続やユニフォーム売上も好調だし、コロナ禍でも新たなスポンサーを何社も獲得している営業力も発揮されている訳である。
それに今の動きが速い強化部からすると、夏の補強でも既に何人か選手と交渉が纏まっているのでは?と楽しい想像をしてしまう。そう思わせる程に強化部の質はここ1年でガラリと変わった。

後はチームがそれに応えるだけとなるが、沖縄キャンプも質の高い内容のママ無事に切り抜けられそうだし、クラスターも発生している他チームもある中で、レッズはコロナ陽性の選手が2人に留まっている上に、その2人も既に練習復帰しているのは幸い。当初は沖縄に行く事さえ懸念されたが、今から思えば陽性者が大量発生している本土より、ピークアウトしつつある離島の沖縄でバブルキャンプをしていた方が、遥かに安全だったという事か?
まあこれを考えると、埼玉に帰って来てからの方が感染しやしないかと心配はあるが。いっその事スーパーカップ前日まで沖縄でバブル練習やっていたら?と思ってしまうが、まあそれは無理な話だから、先ずはこのまま沖縄キャンプを無事に終えてさえくれれば御の字かな。

スーパーカップまでいよいよ1週間、開幕戦まで2週間、始まるまであっという間だったが、始まれば始まるでまたあっという間にシーズンを駆け抜ける事になる訳で、さあ気持ちが高まって来た。
さて、天皇杯優勝を成し遂げて、もっとその余韻に浸っていたいとはいえ、クラブは既に来季に向けて動き出しているし、年も押し迫っているので、早々に総括を。

自分は昨年のシーズン総括で、このシーズン開始前にフロントが打ち出した3年計画を、その1年目があまりに中身が薄く先行きが不透明だった事から「荒唐無稽」と言い放ってしまった。それだけチームが、残るもの、上積みするもの、収穫が極めて薄いシーズンだったからである。
また同時に「3年計画(の1年目)は、チーム強化の為より、強化部の組織化の為」と書いた。今回の話の最大の肝は、この部分である。つまりチーム強化の前に、それを司るべき強化部がどう成長し何処まで強化されたのか。その批評無しに語れない総括になる。

2年前に刷新された強化部トップは、土田SDとそれを補佐する西野TDというOBコンビだったが、当時は率直に言って素人人事とも言える状態だった。しかも西野TDに至っては大学教授と掛け持ちで、果たして強化担当として何処まで集中できるのかという不安要素があった。
その1年目序盤の強化部の評価は周知の通りで、3年計画の初年度でありながら、ステップアップを全く無視して、いきなりACL出場権獲得をノルマとして課す矛盾があったり、「攻撃サッカー」やら「浦和を背負う責任」という実に派手なスローガンを掲げながら、その中身は抽象的なものだったりと、強化部はおろかフロント全体が頓珍漢な指針を掲げており、とてもではないが途中までは、実のある仕事をしたとは思えない状態であった。
つまりこの時点では「荒唐無稽」そのものであり、元々はフロント幹部が素人人事の強化部に無理難題を押し付けていたが故に、それを言わされるがままになっていた強化部から荒唐無稽な無理難題を押し付けられていた大槻体制は、チーム強化と若返り要請がありながらACL出場権獲得ノルマの矛盾で板挟みとなり、どっち付かずの成績に終始した結果、最後は蜥蜴の尻尾切りのように切り捨てられる事になる。

これに至るまで強化部新体制初年度によるその組織化という話になるが、上記で蜥蜴の尻尾切りと表現したように、ある意味で大槻体制を踏み台という名の犠牲にしながら、その成果が表れたのはシーズン終盤。
当時J2徳島を4シーズン率いて、欧州に於ける最先端かつスタンダードかつ緻密で超組織的攻撃サッカーを思考し指導して成功していた、その高い戦術構築能力で高評価を受けていたリカルド・ロドリゲスが、徳島からの契約延長要請を断り、J1クラブへ売り込みをかけてきた事から始まる。

レッズとしては先が見えない状態にあった大槻体制を見限り、来季に向けて、発動中の3年計画を2年目から本格的に実行可能にする為の、長期スパンで託して組織的な攻撃サッカーが実行可能なチームを作れる新監督招聘に迫られていた。
リカルドは将来的に欧州名門クラブを率いたい野心を抱きながら、4シーズン率いた徳島の昇格が見えた時点で一区切りとし、(本人曰く)居心地の良かったクラブの熱烈な契約延長要請をあえて断り、自らのステップアップとしてJ1でも名のあるクラブの監督就任を望んでいた。
このレッズとリカルドの利害が、全く同時期にピタリと一致した。すぐリカルドに飛び付いたレッズは、あれよあれよという間に交渉を成立させた。この極めて迅速な動きは、過去に何度も監督人事で後手を踏んでいた過ちを教訓として活かしたという意味で、評価の第一歩と言える。

1年間の慣れない業務を続けた土田SDが終盤に疲労で倒れたアクシデントはあったが、それだけ土田SDは厳しい環境に晒された事で、強化責任者としての経験値を得たとも言える。またこれに絡んで補佐役の西野TDの存在感も明確に発揮されて行く。

リカルドの監督招聘に成功したが、しかし一方で興梠に代わるべき新エースとして、加入2年目に更なる得点源として計算できるレオナルドを、開幕直前に中国マネーで引き抜かれるという、絶対にあってはならない時期にあってはならない引き抜かれ方をされてしまう。
中国マネーに対抗できない事情は考慮すべきだし高額な移籍金を獲得した事実はあるが、このタイミングでの選手の引き抜かれ方はラファエル・シルバと同じ過ちを犯した事になり、これを毎回許していたらチームは立ち行かなくなる。しかも当時はコロナ禍による外国人入国制限で新規外国人補強が儘ならない中であったし、デンも治療中で、これでは助っ人外国人が皆無となる異常事態。更に大きな主力として成長した橋岡が、五輪代表入りが危ぶまれていた事から海外移籍を熱望して、レンタルではあったがベルギーリーグに引き抜かれており、出て行く選手のインパクトだけを見たら戦力ダウン必至で、事態は深刻であった。しかしこれも元を辿れば、フロントと強化部の選手へのプロテクト能力が低かった故の失態であった。

日本人選手に関しては、契約満了の選手を多く「整理」した事と、近年まれに見る有望株の新人獲得に成功しており、前年に比べたら選手の大幅な入れ換えに成功した。
とはいえA代表クラスではない補強、またコロナ赤字による補強資金の限界もあり、J2を熟知するリカルドの見極めの協力から年棒の安いJ2チームから引き抜く方法も採用された為、この時点ではコロナ赤字によるコストダウン、選手の入れ換え、また若返りの度合いも強く、目標達成に向けて確実に計算できる選手が補強されたとは言い難い。

新体制発足後のチーム状態は、リカルドの手腕が早くも発揮されての、開幕戦での衝撃的なチームの変貌状態が披露され、また補強選手の中でも取り分けJ2組が想像以上にフィットし早くも主力化するなど幸先の良いスタートは切れたが、しかし作りたてのチームではまだまだ穴も多く、上位クラスのチームには完成度の違いを露呈しては大敗を喫している。

しかしこの間の強化部の動きが凄まじく、ノルウェーで得点王達成直後に契約問題で揉めていたユンカー、柏で監督との確執から退団の兆しが見えた江坂、マルセイユの主力でありながら日本復帰を希望していた酒井、日本に興味を持っていたデンマークリーグMVPショルツ、水戸でJ1レベルの実力を発揮していた平野と、これら有力選手に早々に接触しては、次々に交渉を纏めてしまう。
資金面では三菱重工の強力なバックアップがあったと言われるが、状況に眼を張り巡らして隙を逃さず、他から狙われる前に後手を踏まず迅速に対象に接触して獲得する動きは、前年秋に直ぐ様リカルドに飛び付いた時点からして、強化部そのものの成長具合が見える流れである。

多くの代表レベルの選手獲得、これで確実に計算が出来る体制となったチームは、後は高い指導力と求心力を持つリカルドのチーム作りによって、夏場以降に着実に成果を表して行く。
その総仕上げというべき終盤に見せた川崎戦やマリノス戦の戦いぶりは、序盤で大敗した同じ相手との差を明確に縮めては、8ヶ月でチームが大きく成長した姿を見せた。
こうした上での天皇杯優勝によるタイトル獲得がある。今回は運や偶然性や1発勝負頼みの勝ち上がりではない。もちろん最後の2試合を見てもチームを去り行く功労選手絡みのモチベーション抜きに語れない優勝劇ではあったが、それ以前にシーズンを通した根拠ある成長の証として、着実に勝ち上がっての納得のタイトル獲得と言える。

クラブチームが本当に強くなる為には、監督の力だけではどうにもならないし、選手の力だけではどうにもならないし、強化部の力だけではどうにもならない。これらが何れも高いレベルで三位一体となった時に、その力が発揮されると思う。
そういう意味では、高い構築能力を持つ監督、代表レベルにある多くの選手、またそれを揃える組織力を得た強化部と、まさに三位一体になったのが今季と言えるかもしれない。
そのスタートが「荒唐無稽」だった2年前のレッズであり、最初は単にフロント幹部の傀儡だった強化部が、荒唐無稽な計画初年度を無駄にせずに、その間に必死に組織化して成長を遂げ独り立ちした結果だったと思う。
右も左もわからない状態だった2年前の素人人事による、単に上から言わされていたACL出場権目標とは違い、強化部が成長しながら自らの仕事で構築して行ったのが今季のACL出場権目標である。つまりこれこそが本当の責任であり、「浦和を背負う責任」と言うならば、強化部が身を持って必死にそれを証明する為に先頭に立って動いて、有言実行で達成したと言える。

そのフロントと強化部の元でのリカルド体制がある。これまでの現場任せの悪しき伝統を排除し、現場に丸投げではなく、監督頼みではなく、フロントと強化部が一貫した方針の元で、監督と密にコミュニケーション関係を築き進めながら、かつて繰り返していた補充レベルではなく、それまでの主力を何人もベンチやベンチ外や放出に追いやるような、徹底して飽くなき実のある補強を続けて現場をサポートして行く。だからこそ現場を納得させ、信頼と信用を得られる。フロントと強化部のこの部分が足りなかったら、いくら有能なリカルド体制とて、恐らくここまでの良成績は残せなかっただろう。

リーグ戦は上位に留まり、ルヴァンカップは4強入りし、天皇杯優勝で目標のACL出場権獲得。ここまでは計画通りに進んでいる。変革の時を迎えているレッズにあって、現状に満足せず、引き続き手を緩めない事が重要。
去年の総括では、フロント自らの失敗の連続で幾度にも渡って繰り返して来ていた乱暴な人事を非難したが、現体制では状況を見極めてのメリハリある人事を行っている。もちろんコロナ禍による収益減が無かったら、また違った運営方法も可能だったのかもしれないが、そんな厳しい状況の中でも、更なる目標達成の為に大幅な血の入れ換えを断行している今、何人もの功労者との別れには、多少目を瞑る事こそ、来季はリーグ優勝目標とアジアへ再挑戦するクラブとチームの為になると信じたい。


という事で、今シーズンも激動の中で大変お疲れ様でした。今季は3年ぶりに天皇杯でタイトルを獲得した事で、気持ちの面ではかなり穏やか。やはり優勝って人を幸せにさせてくれる良いものだと、改めて・・・。
ここから昨年にも増してかなり騒がしいストーブリーグになる、いや既にそうなっていますが、それに一喜一憂するのもまた年末年始の風物詩。
引き続きコロナに気を付けつつ、また来シーズンに向けて鋭気を養って行きましょう。
さて、総括しよう。ここから来季にかけては、人事や補強がバタバタと動きそうなので、総括も迅速に行ってスッキリしつつ、来季に向けて気分を一新したいと思う。

先ず今年は、新型コロナウイルスという世界的パンデミックにより、Jリーグも序盤から大幅な中断期間を余儀なくされ、また再開後も大会レギュレーションと日程の変更、また無観客試合やビジターを含む入場制限付き開催など、通常とは大きく異なるシーズンになった事は前提となる。
但し、今総括によるクラブチームの評価は、コロナウイルスという条件を一切挟まずに行う事を始めに言っておく。理由として、約10年前の東日本大震災のような地域的な不利条件が発生したものとは違い、コロナウイルスによる条件は、全てのクラブチームが一律に被ったものと考える。厳密に言えば地域間やクラブ間で多かれ少なかれ異なる部分があるのは事実だが、それを逐一評価対象に加味していたらキリがなく、またコロナウイルスを免罪符にしての逆に正当な評価が薄れてしまう危険性がある故、そこはご了承を願いたい。

今季のチーム体制は、レッズにしては珍しく早々に固まった。即ち最終節翌日には、オリヴェイラ解任を受けてシーズン途中から2度目の指揮を執っていた大槻氏(以下いつも通り親しみを込めて組長と表記する)体制の継続が発表されたからである。
但し、組長体制で得た成績からして、例えACL勝ち進み組を全く考慮しないJリーグの至極酷い(←ここは改めて強調したい)日程設定下でのACL準優勝という評価はあっても、国内リーグ戦では残留争いに片足を突っ込んでしまった上に、結果的に14位という一歩違えればJ2降格の可能性もあった著しく低迷した成績から、どう考えても監督交代は避けられないと思われた。
ところが、最終節翌日には監督続投発表という、これまでのレッズのフロント判断からしたら、誰もが首を傾げる異例の継続人事が成されたのである。

ここからは完全に自分の憶測になる事を予め断っておく。

毎年のように監督解任劇が続いた事で外部から信用を失い、もはやクラブには新たな監督を得る力も信用あるパイプも無く、例年繰り返される放出人事による人材の枯渇で、再びの昇格人事も不能に。結局のところ組長に引き続き監督を託すしか道が無かったのだろうと思われる。
ようするに新監督以前に、新監督探しの肝となる強化部体制でさえ、解任した中村修三GMの後釜すら、これまでの経過から人事を得られず、苦し紛れに現場でGKコーチしか経験が無い土田氏を強化責任者としてフロント入りさせ、それでは明らかに不完全であったが故に、そこで大学教授であるOBの西野氏に懇願して土田氏の補佐に充てた。しかし強化部経験が皆無でパイプが無い2人では、素人段階から新監督招聘業務など、どだい無理な話だったのだろう。

外部からの信用を著しく失っていながら無理に新監督探しを続ければ、オファーする監督に立て続けに断られ異常事態に発展した9年前の二の舞になる。それでも9年前は広島を契約満了になり就活中だったミシャと、新監督招聘が不能に陥っていたレッズと、偶然にも寸手で利害が一致したが、また今回も同じようになるとは限らない。ならば、時間の無駄になるよりは早々に継続体制を固めて、少しでも傷口を回復させようと判断したのではないだろうか。

しかし成績からして、これではファン・サポーターの納得が得られない。そこで考え出された苦肉の策が、『3年計画』という、最もらしいチーム強化計画だったのだろう。
鹿島や川崎などブレないコンセプトで継続性を貫いて成功しているフロントをお手本に、レッズも今季から一貫した方向性と方針の元に、3年かけてリーグ優勝が達成可能なチームを育てて強化して行くというものだが、恐らくこれは新監督招聘が困難だった故に、ファン・サポーターを監督続投でも納得させる為の大義名分であったと思われる。
自分は開幕前に行われたTOTにも出席して3年計画の説明を聞いたが、クラブ側の説明は「浦和を背負う責任」やら「主導権を握る攻撃的サッカー」など大局的かつ抽象的なものばかりで、その目標達成の為の細かく具体的な計画内容、根拠性は全く見られなかった。ハッキリ言ってしまえば他クラブの真似事に過ぎず、ここで早くも荒唐無稽なものを感じてしまったのだ。

ちなみに選手補強で言えば、J3&J2得点王レオナルドと、将来性抜群の豪州代表デンの獲得は評価したいが、これは過去から築き上げて来たレッズブランドと資金力があっての事であり、こういうものは情報が薄い外国人選手には通用するが、レッズの内面を知る日本人選手へのオファーが右から左まで尽く拒否された部分は、やはり国内でのレッズに対する信用低下の表れであろう。

結論から言うと、この流れが今季の全であったと推察できる。誰しもが納得行く万全の形でシーズンをスタートさせた訳ではなく、前季から続く大きな不備を立て直す力が無かった故、継続性という大義名分を隠れ蓑にし、根拠の無いフレーズをズラズラ並べて盾にしながら、中身は常に不安先行で対処に後手を踏みながらスタートさせたに過ぎない。
にも拘わらずフロントは、ACL出場権獲得と得失点差プラス2桁という、3年計画と言いながら計画初年度から大層な目標設定ノルマを監督に課し、加えて世代交代も求めていたというのだから、これでは矛盾に矛盾が重なるばかりで、一体何に主眼を置いて良いやら現場は混乱するばかりである。
コロナウイルス発生によりレギュレーションが変更され今季のみ降格制度が無くなる中、他チームに比べて世代交代の為の積極的な若手起用にチャレンジしなかったのも、全ては大き過ぎる成績ノルマが足枷になっていたからと思われる。

個人的には去年最終節後、組長続投発表を受けて「腹を括る」と書いた。どうにもならない以上、覚悟を決めるしかないと思ったからである。この言葉に嘘をつかないよう、自分は今季どんな成績に陥ろうと、監督の解任は求めなかった。
火中の栗を拾い続けていた組長という人物に恩を感じていたからでもあるが、また予め腹を括ったという事は、格好が良い事を言えば信じて付いて行くという捉え方もあるが、正直に言えば、組長の監督としての力量には足りないものを感じて大きな危機感を抱き、また相変わらずの体たらくさが見えたフロントに再びの大きな不信感を抱いたからこそが事実である。そうでなければ「腹を括る」などという表現にはならなかった。

このマイナスの覚悟を良い意味で裏切ってほしかったが、残念ながら、結果的にチームは、自分も、そして多くの人が抱いた危機感通りになってしまった。
それでも開幕2戦の連勝や、コロナ中断明け暫くの成績は、前シーズンからの不安を払拭させるように上向きであり、そこに夢を見てしまった時期はあった。
ところが、他チームも体制を整えて行く中盤戦になると、組長の求心力による起爆剤のようなチーム作りと分析力だけでは追い付かなくなり、徐々にライバルチームに研究されては水を開けられる状態になる。チーム状態を改善しようにも、フロントが求める高いノルマ設定の足枷を外す事が出来ず、板挟みのように苦悩したまま、その隙に多くの他チームから立場を逆転されてしまった。終盤、主眼の置き場を完全に失ったチームは、途中までは僅かながらでも成長していた組織力も消し飛び、最後は固定メンバーと個人技頼みのサッカーに陥り、もはや途中に抱いた成果の表れなど見る影もない状態であった。即ち秋口の段階で再び上向いたチーム状態が、組長体制の限界であった。

例年に比べて、かなり淡白な評価になったと思う。しかし、それだけ、わかりやすいシーズンだったと思う。
そして継続性という方針に嘘偽りが無ければ、本来ならば今季どのような成績に陥ろうと、監督人事も継続させていた筈である。しかし今季はそうはならなかった。
これも完全に憶測ではあるが、恐らく今季の組長体制は、チームを刷新させる事など夢のまた夢であった素人人事から始まった強化部が、空白部分を成長させ組織化する為の猶予を得る、始めから1年繋ぎの扱いであったと思われる。つまり3年計画は、実はチーム強化の為より、強化部の組織化の為にあったとも言えるのだ。その証拠に、これまで現場丸投げ感が強かった監督主導から、一転してフロント主導によるチーム運営を打ち出したのだから。
ところが、この過程で来季構想を進める大切な時期に、強化責任者である土田氏が1年を保たずに倒れた。仮に原因が、噂されている通り過労であるとしたら・・・。それだけ常に厳しいプレッシャーに晒されるレッズの強化責任者は、それに耐えうるべき体力と精神力が必要とされるのだ。
そして悲しいかな乱暴で雑で非情な人事を繰り返していれば、行く行くはまたもクラブの功労者放出という、繰り返される貴重な人材流出に繋がるのである。今回の組長のように。

それと、批判ばかりで申し訳ないが、それでもきちんと評価したい部分がある。冒頭で評価にコロナウイルス条件を一切挟まないとは書いたが、クラブ単体としては一部分だけ特筆したい。
それは多くのクラブチームで選手やスタッフの感染者が発生する中、レッズは感染者が取り分け発生しやすい首都圏かつ東京中心部に隣接する一大ベッドタウンである浦和に籍を置くクラブチームでありながら、シーズン中また現在に至るまで、1人の感染者も出していない部分は、クラブチームの感染防止努力として大きく評価したいと思う。感染者発生による試合延期・中止という、各方面に多大な迷惑と損失を発生させる事なく、管轄内全日程に穴を開ける事なくスケジュール通りに開催できたのは、クラブチームの管理努力の賜物としたい。

後は、コロナウイルスの影響でクラブが被った10億円とも言われる膨大な赤字額が、果たして来季に向けてどう影響して行くか、ここはストーブリーグの行方とともに、しっかり注視して行きたいと思う。


という事で、皆さま、今シーズンも大変お疲れ様でした。
今年は新型コロナウイルス発生により、サポーターにとっても様々な制限を余儀なくされ苦しいシーズンになり、また未だコロナウイルスが終息していない以上、来季も引き続き異例のシーズンになる可能性が高いですが、レッズ自体は前年とは違い、今回は新たなチーム体制作りに向けて活発に動いているようなので、今はそこに期待しつつ、注目して行きましょう。
ようこそ!!
試合終了/J1リーグ第8節 浦和2-1清水 得点/4分・凌磨(浦)、59分・サヴィオ(浦)、79分・高木(清) ・・・次の試合/J1リーグ第9節 福岡-浦和(ベスト電器スタジアム=4月6日14:00キックオフ)


★みんなのなんでも掲示板★
掲示板利用規約

☆インフォメーション
■5/17=「たのしいラボ」さんと相互リンクしました。■11/21=「誰も教えてくれないサッカー観戦を100倍楽しむ方法!」さんと相互リンクしました。■7/29=「サッカーの技法をすべての人に」さんと相互リンクしました。■10/1=忍者ブログは先月末をもってトラックバック機能が廃止になりました。これまでTBを送信していただいた皆様ありがとうございました。

ツイッター↓
カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
最新トラックバック
リンク

にほんブログ村 サッカーブログへ



にほんブログ村 サッカーブログ 浦和レッズへ
リンク

【相互リンク大歓迎受付中!!】
プロフィール
HN:
うえ
性別:
男性
自己紹介:
埼玉県富士見市在住

レッズと酒に生きる。
スタジアムではゴール裏住人であります。
ブログ内検索
アクセスカウンター
アクセスカウンター
メールフォーム
バーコード
携帯からも閲覧できますよ。
忍者ブログ [PR]