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大変残念でありショッキングであるが、スコルジャの今季限りの退任が正式発表されてしまった。
尤もスコルジャの退任は、前々から噂されては報道もされていたから、それなりの覚悟をして構えていた分、今はもう「ああ、やはり」と言うしか仕方がない。

但し成績不振により監督の交代を繰り返していた例年と違い、スコルジャはACL決勝を征して、ルヴァンカップもファイナリストまで導き、リーグ戦では終盤まで優勝争いを維持した。
このような好成績を出しながら、就任僅か1シーズン限りでの退任は異例である。更に言えば、タイトル獲得という明確な結果を出しながら同シーズンで退任した監督は、レッズ30年の歴史に於いて、オフト、ギド、そして今回のスコルジャしか居ない。

フロントと強化部は慰留に努めたが、話し合いの末、最終的にスコルジャが固辞した形であるが、通常であればスコルジャが望めば契約延長であったところの退任劇であるから、スコルジャに余程の理由または事情がなければ、このような形にはならなかったであろう。
ただオフィシャルで明記されている「家庭の事情」とは、あくまでカモフラージュであり、スポーツ業界で明確な理由を公表できない際に用いられる常套句であるから、この部分を素直に捉えるのは至極ナンセンスである。

辞意理由に付いては、
・母国ポーランド代表監督に正式に推挙された
・補強の相次ぐ失敗に対する不満
・ポーランド語通訳の不在
・一部の暴動騒動に失望した
・来季の天皇杯出場権が剥奪された
等々、様々な憶測が飛び交っているが、秋口にスコルジャがポーランドに短期帰国していた事実がある以上は、恐らくそこで母国サッカー協会から、現状不振に陥っているポーランド代表の、次期監督に推挙された事が直接原因である事は間違いない。
もちろんフロントや強化部に対する不振や不満は無いとは言い切れないが、それはあくまで二次的なものと思いたい。

元々スコルジャは、昨年ワールドカップ終了後から次期ポーランド代表監督の有力候補に上がっていた事実があり、しかしレッズのオファーと契約が迅速であったが為に、レッズの監督に就任した経緯はある。
母国サッカー協会からの正式オファーを待たず、レッズを選んだ理由も、隣国ウクライナでの戦争が影響したなどの憶測も流れていたが、ここはあくまでレッズの正式オファーのタイミング的なものだったのだろう。

終身雇用の概念が強く残る日本では、好成績を維持している以上は、契約更新が規定路線と考えるのが普通であるが、異なる文化概念を持つ外国人では、その日本の常識は通用しない。
つまり契約はあくまで契約。レッズとスコルジャは、元々1年の契約しか締結していない。契約が切れれば、その後の選択肢はスコルジャにある。故に1年契約の相手から契約更新を断られたとしても、何も文句は言えないのである。1年で投げ出したと非難する声も今回少なくないが、それはあくまで日本人的な考えであり、繰り返すが契約は端から1年限りであった事実は変えられない。

ここからは契約更新に漕ぎ着けなかったフロント及び強化部の力量不足であり、同時にスコルジャにレッズ以上の魅力的な契約が舞い込んで来ただけの話である。

だからこそクラブはそれを視野に、数ある監督と、これまで複数年契約を結んで来た。しかしその多くが成績不振により、契約を残して解任された。先のリカルドも3年契約で1年の契約を残しながら解任されたのは記憶に新しい。
契約を残しながらの解任は、如何なる理由があろうともクラブからの契約破棄として、相手に対して残り契約分の違約金が発生する。その金額は多大であり不良債権として、以後もクラブの経理財政面に重くのし掛かる。
クラブとしては過去このような負の歴史を繰り返したくはない故に、スコルジャとは先ずは1年での契約を飲んだ筈である。
ところが今回は1年契約だった監督が、(例年に比べたら珍しく)好成績を残す事になった。当然クラブは契約更新を規定路線に交渉に臨み、スコルジャもそれに乗るであろうと考えていたのかもしれない。しかし今回は相手にその考えが無かった。それ以上に魅力的な契約が母国もしくは多方面から舞い込んで来てしまったという事だ。
これを考えると、1年契約の時に限って、こういう食い違いが発生するのだから、本当に皮肉な話である。

自分はスコルジャが就任する際、その風貌や言動からして、かなりシビアな性格である事を予想して、このブログでスコルジャを「冷徹」とまで表現した。
もちろん冷徹とはあくまで極端な表現ではあったし、シーズン中に度々人間的な姿を見せる事はあったが、しかし今回の退任劇を見る限り、スコルジャという人物は、状況に甘える事なく、高い野心を持ち、本当にかなりのシビアな性格であったと、改めて認識させられた。

スコルジャの退任に関しては、恐らく外部との交渉が解禁された初秋頃には、周囲にその可能性が取りざたされていた筈である。
今から振り替えると、その頃からチームと選手が、どうもシックリ行かなくなっていたように思える。選手とて退任の可能性がある監督の元で、来季を見据えながらモチベーションを維持するのは難しい。複雑な感情で試合に臨んでいたのかもしれない。シーズン序盤は監督に惜しみ無い賛辞を送っていた興梠なども、この頃から監督に対する評価に関して口を閉ざすようになった。そして先の西川の監督からの指示無視など、それを考えたら完全に腑に落ちるのである。

まだシーズンが終わっていない以上、来季に向けた話は、一旦右へ置いておく。
それどころかレッズは、リーグ優勝の可能性は完全消滅したとはいえ、今の順位を死守しながら、並行して苦しい立場に追い込まれているACLのグループステージ突破を目指し、更には規模が拡大されたクラブワールドカップにまで参加しなければならないのである。
まだまだ大切かつ重要かつ大きな試合が多く残されている中で、しかし監督の退任発表である。何故このような時期にとは思うが、しかしクラブとしては、リーグ戦のホーム最終戦までに発表しなければならなかった事情は理解する。
しかし多くの試合が残っている中で、退任が決定している指導者の元で戦わなければならない選手は、果たしてどうモチベーションを維持するのだろうか。
更に言えば、スコルジャが例えばオフトやギドのように、複数年に渡り在籍し指導しながら結果を残した監督ならば、選手も最後は監督の為に、という惜別の気持ちが尚更強くなるだろうが、しかしスコルジャは未だ1シーズン満了にも満たない時点で退任が発表されている。つまりオフトやギドに比べたら、選手からの理解度と求心力は、完璧に満たされている状態ではない。心情の深さが雲泥で違ってくるのである。

果たして、この違いを埋めながら、どうやってスコルジャは最後までレッズと選手を率いて行くのだろうか。そして選手は、何を思いながら残りの試合を戦うのだろうか。
今はそれが一番の心配材料である。
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無題
衝撃的なニュースでしたが、やっぱりって思いました。
おそらく1番はフロントへの不信感じゃないかと。。契約時にはスコルジャが希望した補強やサポートを約束する事で合意したと思うけど、蓋を開ければ主力流出、補強などすべて的外れでしたし獲得しても計算、戦力になる選手がいないから、現メンバーで戦えざるえないそして毎度おなじみの後半失速。。。スコルジャからしたら失望以外何も無いですよね。。
ポーランド監督の話は前からあったがレッズを優先にこれからもやりたいと一時期言ってましたが、やはりフロントが独裁してしまうとね、、土田もそろそろ限界だから降りてもらい西野と新しくフロントに迎えて行かないと、来季は毎度おなじみドタバタ劇場になりそうな予感しかない。


とにかく今はリーグと、クラブワールドカップに力を注いで有終の美を飾って欲しいです。
赤魂 2023/11/22(Wed)01:11:30 編集
コメントありがとうございます
赤魂さん
こんばんはです。
前々からの噂と複数紙報道から、覚悟と予期はしてはいましたが、状況が状況だけに、やはり衝撃は大きいですね。
フロントや強化部との行き違いは、個人的には二次的なものとは思いたいものの、スコルジャもやはり人間ですしプロ意識が高い人ですから、確かに不信感はあったと思います。スコルジャが補強希望した選手を尽く獲得できなかったのは、かなり致命的ではありましたね。
複数年契約であったならば、スコルジャも今回はポーランド代表監督の話を諦めざるを得なかったでしょうけれど、契約満了後の話になると別で、やはりヨーロッパの第一線で、しかも代表監督でキャリアを高めたい気持ちは理解できるので、そこは仕方ないと思う事にします。
そしてフロントの力量不足は、やはり否めませんね。強化部総責任者の立場にあるツッチーの、責任の所在をこれからどうするのか気になりますが、成績不振という明確な理由が無いばかりか、逆にチームの成績は悪くないので、それを隠れ蓑に、何となくこのままナァナァで行きそうな予感をしています(汗)
ただチームは今はナァナァで行く訳には行きませんから、残りの試合で結果を残しながら、スコルジャとは少しでも良い関係でお別れしたいですね。
うえ URL 2023/11/22(Wed)01:33:14 編集
無題
お疲れさまです。
スコさんの件、ついに発表されてしまい、私もショックです。フロントが夏場から、もっと現場をサポートできてたら、スコさんも心はレッズのままだったのでしょうけれど…
母国代表監督就任が事実ならば仕方ないですけれど…
補強失敗。監督慰留失敗。度重なる失敗続きの強化部に関して、なんらかの責任は負ってほしいです。このまま強化部が同じ体制で行くなんて、頭が痛くなります。
マウファン 2023/11/22(Wed)10:42:14 編集
コメントありがとうございます
マウファンさん
おはようございます。
スコルジャの招聘までは良かったですが、そこから夏にかけて、フロントと強化部のスコルジャへのサポート不足は、やはり否めませんでしたね。確かにここをしっかりやってスコルジャからの信頼を得ていれば、他から良い話が来たとて、心はレッズのままだったかもしれません。
フロントと強化部の責任の所在は明らかですが、失敗ばかりではなく成功面も多々あるので、そこは公平に考えつつ、これから少し様子を見たいと思います。
うえ URL 2023/11/22(Wed)11:25:46 編集
無題
こんにちは。
スコルジャの今季限りの退任が正式発表されてしまった・・・>>
残念です。

フロントと強化部は慰留に努めたが、話し合いの末・・・>>
もともとレッズの監督になる前のチームも確か家族の問題的な理由で退任だったような。

フロントからは一応路線を踏襲した監督をと言っていますが、簡単に見つかりますかね、疑問です。
個人的にはロティーナとか好きなんですよ。
ただ彼もチームを作るのに時間がかかる認識なので・・・

終身雇用の概念が強く残る日本では・・・>>
契約社会で生きている国の人と日本人は感覚が違いますね。
この辺は意識が変わるのは社会全体が変わらないと難しのでは。
日本的の「言わなくてわかる」的な事は通じないですからね。
この辺りはどこかのオーナーなんか自分の意見を発信しているのを見るたびに
世界でビジネスする人はこうだよなぁと思います。
※まぁ自分は骨の髄まで日本人なのでこのようなオーナーは凄いと思いますが、好きでは・・・

自分はスコルジャが就任する際・・・>>
実績はニュースとかで出てましたが、正直どうだろってのが最初の感想でした。
今は、プロフェッショナルな人っていう認識です。

スコルジャの退任に関しては・・・>>
確かに今にして思えばって感じですね。

果たして、この違いを埋めながら・・・>>
どんな状況だろうと選手は監督ではなくクラブと契約しているし、
来期以降の自分の事も絡んでくるので、プロとしての姿勢を示して欲しいと思いますし、それが出来ない選手はそこまでの選手だと思わざるを得ません。

兎にも角にも自分たちは好きなクラブを応援していくしかないので(笑)。
ひろりん 2023/11/22(Wed)16:31:43 編集
コメントありがとうございます
ひろりんさん
こんばんはです。
スコルジャのようなレベルの監督が1年でも日本に、レッズに来てくれたのも奇跡だったのかもしれませんが、スコルジャがポーランドを出た昨季も、前所属チームからは強く慰留されていたので、それでも日本行きを選んだのは、時系列も含めてそれなりに事情はあったのでしょうね。
そして1シーズンが経過しようとして来季の契約交渉が始まっている中で、今度は今度で帰国して再びヨーロッパで仕事が出来る条件が整ったという事でしょうかね。
読みが決して上手いとは言えないうちのフロントと強化部からしたら、勝手に契約更新は規定路線として始めは悠長に構えていたのかもしれませんが、まさかスコルジャから辞意を申し出るとは、寝耳に水だったでしょうね。日本人の感覚が優先してしまうと、外国人相手に時に痛い目に合う例になった気もします。
とはいえ自分も日本人である以上は日本人独特の情も働きますし、外国人によくあるあまりにシビアな考え方は、少し受け付けない部分はありますけどね。なので自分も昨今のグローバルを全面に押し出したワンマン経営者のシビアな競争感覚を見ると、確かに凄いと思う反面で、情に欠ける部分は否めないので、こういう経営者の元では働きたくはないとも思います。
ただこうなってしまった以上は、当然ですが後任監督を早く見付けて契約締結を急がなければならない訳ですが、ご指摘通り果たして、そうストレートに路線を踏襲可能な監督が見付けられるか、ですね。ここは暫く経過を見守るしかないですが、こうも監督人事でバタバタが続いているクラブに、スコルジャのような優越な監督が来てくれるかどうか心配です。
それとやはり選手の心情面ですね。監督人事により去就が影響する選手は間違いなく発生するでしょうし、そういう心情を抱えながら、残りの試合もモチベーションを維持して戦えるかどうか心配です。おっしゃる通りプロであり契約がある以上は、それでも全力で戦ってもらわなければ困るのですが、選手もプロであると同時に人間ですから、やはり心穏やかではない選手も居る筈で、そこが残り試合や監督との関係にどう影響するか、不安な部分です。
サポーターとしても、まだまだシーズンが残っている現状で、ちょっと懸念材料が発生してしまいましたが、とにかく先ずは現状が崩れない事を信じて、最後まで応援して行くしかないですね。最後に穏やかな形でスコルジャとお別れする為にも・・・。
うえ URL 2023/11/22(Wed)18:47:46 編集
無題
こんばんは。

歴代の監督を振り返ってみると、選手起用に関して一定数のサポーターが不満を持つことが必ずあったように感じますが、マチェイ監督の選手起用に関しての不満はあまり聞かれなかったように感じます。
選手を公平に見てチャンスを与えてから使う使わないの判断をしてくれて、見ている我々も納得できる選手起用でした。
東京在住のサポ 2023/11/24(Fri)20:16:45 編集
コメントありがとうございます
東京在住のサポさん
こんばんはです。
今回監督に選手起用面を含めてあまり不満が発生しなかったのも、もちろん多くの選手に一定のチャンスを与えながら判断していたというのはありますが、やはり成績面でそれだけの結果を出していたからに尽きると思います。
どんなチーム運営をしようと、やはり結果が出なければ必ず不満は出てしまうものなので、そういう意味ではスコルジャは、中身と結果を上手く両立させた監督でしたね。
だからこそスコルジャのレッズでの2シーズン目を見てみたかっただけに、それが叶わず1シーズン限りになってしまうのが、実に残念です・・・。
うえ URL 2023/11/24(Fri)20:54:23 編集
ようこそ!!
試合終了/J1リーグ第10節 浦和2-1名古屋 得点/24分・安居(浦)、70分・サンタナPK(浦)、90+2分・和泉(名) ・・・次の試合/J1リーグ第11節 川崎-浦和(Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu=5月3日16:00キックオフ)


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