ピークを過ぎた選手や放出選手の移籍ならいざ知らず、同リーグの相手チームから看板選手や主力選手を引き抜くなどという行為は、一昔前のJリーグでは考えられなかったものだ。
もちろん過去にもアントラーズから森岡を、ガンバから永島を獲得したエスパルスの例はあったものの、それは例外中の例外として扱われていた。
ピークを過ぎた選手や解雇された選手が、新天地を求めて別チームに移籍するというのが、元来の日本人が抱く”移籍”というイメージだったはずである。この考えに一石を投じて、積極的な補強に乗り出したクラブが紛れもなくレッズやガンバといったクラブであることは間違いない。
そんなことを思っていたら、去年の年始、レッズがJリーグ史上希に見ぬド派手な補強を繰り広げて各方面から心ないパッシングを受けている時期、このブログの前身である逆襲日報 in ブログで、1月6日付けで補強に勝る補強はナシ!!という少々辛口の記事を書いたことを思い出した。以下はその記事の全文である。
『ワシントン、相馬、黒部…さらに伸二復帰も狙うなど、例年にも増して積極的な補強を慣行中の我が浦和レッズ。
「浦和は巨人だ」
え?また巨人呼ばわりですかい?
まあ否定はしないよ。いいじゃん、巨人だって。出来ればレアルって言ってほしいけど、その辺を追求するのは烏滸がましいからやめよう。
近代プロサッカーにおける鉄則。それは補強である。
それも中途半端な補強ではなく、どのクラブも欲しがる様な一流選手を補強するのだ。
「選手を育てろ」
わかる。俺もそう思う。しかし手持ちの選手を育てているばかりではチームは絶対に成長しない。
一流選手の補強によって戦力の底上げが施され、層の厚くなったチーム内に激しい競争意識が芽生える。
ここで腐ったり実力の無い選手は次々切り落とされて行くだろうが、それは仕方がない。それが真のプロの世界なのだ。
海外では常識とされる大型補強でも、日本人はそれを嫌う性質がある。それは日本のプロスポーツ文化がプロ野球を中心に育って来たからだ。プロ野球はチームが売却されたり消滅する事はあっても、二部リーグに降格する事は無い。チームさえ存続して居れば半永久的にトップリーグに君臨出来るのである。
広島カープを例にとってみよう。カープはご存じの通り球界一の貧乏球団とされ、生え抜きばかりでほとんど補強の無いままに、毎年下位を彷徨いながらも平然とトップリーグに根を下ろしている。一昔前の阪神やロッテも然りだ。これはいくら弱くても二部に落ちる事が無い為に許される事であって、もしプロ野球に二部や三部リーグがあれば上記の球団はとっくに陥落している。
サッカーはそうはいかない。チームを強くしなければ落ちるのである。
レッズは99年にJ2降格を味わった。降格の主な原因は主力選手が次々負傷離脱した事に加えて、選手層の薄さが響いて主力選手離脱の穴を埋める事が出来なかったからだ。
それまでのレッズは金があるのに補強は外国人選手以外は極力抑えて生え抜き選手を育てる方針だった。横浜フリューゲルスが消滅して代表クラスを引き抜けるビッグチャンスに恵まれても「三浦淳を獲ってもうちには城定が、楢崎が来ても土田と田北の二枚看板が居るから」などと言って積極的に手を出そうとはしなかった。これが翌シーズンの降格に繋がったのだ。
しかし降格を契機にレッズは変わった。学んだのだ。積極的な補強でチーム戦力を底上げし、ついに優勝争いの常連になるのまでに至ったのである。特に今シーズンのレッズの完成度は目を見張るものがあった。主力選手が退団したり負傷離脱をしても、その後を埋める選手がキッチリ仕事を果たし、ナビスコ杯ベスト4、リーグ準優勝、天皇杯優勝という華々しい成績を収めた。
もちろん上記に書いた積極的補強論はクラブに資金が豊富な事が絶対条件となる。
二流選手しか補強できないばかりか、資金難に陥って補強もままならないクラブもある。クラブの身の丈にあった経営は大事である。
しかし旧態依然とした考えのクラブは、この先は間違いなく厳しい事態を招く事になるだろう。
今シーズンのヴェルディやレイソルの降格はそれを象徴するかの様な出来事だった。
特にレイソルの様な資金力がありながらも生え抜きを中心としたクラブの降格は、まさに99年のレッズの二の舞と言っても過言ではない。
もちろん資金力が無く生え抜きを育てて強いチームを作り出しているチーム~ジェフ千葉がある。これは大変素晴らしい事なのだが、しかしこの様なチームは絶対的に「希」だという事も付け加えておきたい。
現実を見よう。
プロスポーツは甘くないのである。(2006年1月6日/原文のママ)』
さて、あれから1年が経った。
どうだろう、補強が成功したレッズの今シーズンの成績は周知の通りである。
そんなレッズは来シーズン補強の目玉として、ジェフの看板選手である阿部勇樹の獲得を目指して動いている。当の阿部はついに移籍を決意した模様。あとはレッズか、FC東京か、はたまたグランパスか、進路決定秒読みとされ注目される中、いよいよ正式発表も間近に迫って来たようだ。
新年もスタートし、年始行事やら仕事始めやらで忙しくて、ここ数日はすっかりブログの更新が滞ってしまった。おまけにパソコンに住み着いているノートンさんに不具合が発生し、復旧するまでに時間がかかったので、ここ数日はまともにパソコンが使えなかった。しっかりしてくれよ、ノートンさん。
そんな中、ギドが5日にひっそりと日本を離れた。クラブは空港のラッシュを考慮してかどうかはわからないけど、マリッチの時と違って今回は帰国日を公表しなかった。尤も、5日帰国って情報は既にネットでどこからともなく流れていたから、これは周知の事実ではあったけれど。
ギドの帰国によってレッズのひとつの歴史が終わった。ギドがレッズを率いた3年間は、これまでレッズサポーターが味わったことのなかったパワフルかつエキサイティングなシーズンだった。まさに夢のような3年間、しかしこのことは夢ではなく現実のものとして、レッズの歴史に刻まれたのである。
かつての英雄選手が監督として再び舞い戻り、そのクラブを率いてついには頂点に導く。どんな作家でも今時クサすぎて絶対に描かないであろう定石シナリオを現実に描けるのも、まさしくレッズの成せる技であろう。レッズというクラブは、どんな時でも事実は小説より奇なクラブであるとつくづく思う。
ということで、ギド本当にお疲れ様&ありがとうございました。
もちろんギドとはこれでお別れではなく、アドバイザーとしてまだまだレッズとの関係は続いて行く。
ギドが再びレッズを率いるのは何時の日だろうか。
天皇杯決勝
浦和レッズ1-0ガンパ大阪
~国立競技場
あけまして浦和レッズ!
本年も浦和レッズ!!
ハッピー ニュー 浦和レッズ!!!
今年もよろしくお願い致します!!!!
ってことで、
天皇杯連覇!!!!!
いや~、もう、嫌っていうほどガンバに攻められまくって、ハッキリ言って普通なら5失点くらいしていても不思議ではなかった生き地獄のような試合展開。それを耐えに耐えられたのは、都築のスーパーセーブや、細貝の身体を張った守備、ウッチーの献身的なカバーリング、ネネの強さなど、とにかく守備陣を始めとするレッズイレブン全体の気合いと気持ちの入ったプレーのおかげ。その思いが、途中出場の岡野のパスから永井の値千金の劇的決勝点に繋がったのだろうね。
実際、ほぼベスト布陣のガンバの猛攻に次ぐ猛攻に対して防戦一方のレッズにとって、本当に数少ないチャンス、いや、この試合唯一と言って良いビッグチャンスを物に出来たのは、単なる偶然や運などではなく、これまで積み重ねてきたレッズの勝利への執念が試合展開に乗り移った結果だと思う。
闘莉王もいない。ワシンシンもいない。アレックスも、坪井も達也もいない。とにかく主力を大幅に欠いて、これまでスタメンはおろか、ベンチ入りもままならない選手も活躍しての価値ある優勝!!これでレッズの強さが偽りでは無いことがハッキリしたはずである。
ギドが作り上げた最強レッズの集大成が実った。
サポーターのギドコールに応じて再びピッチに戻って来てくれたギド。本当に感動的な最後だった。まさに有終の美。ギドについては色々と書きたいことがあるけど、それはまた後日ってことで。ギド、本当にありがとう。
Danke schön!!Guido Buchwald!!!
で、試合後はもちろん国立から浦和へ。
美酒!!
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天皇杯決勝 浦和1-0ガ大阪
得点/87分・永井(浦)
今朝は新座の与野フードまで行ってマッチデー特別号を買ってきた。
去年とまったく同じ行動を取っている自分が居る(笑)
元日からレッズを応援出来るという喜びを前大会で初めて味わったレッズサポーターは、その1年後にまた同じ喜びを味わおうとしている。しかし、前大会と違うのは、天皇杯ウィナー、そしてリーグ王者という2つのタイトルを保持し、その自信を引っ提げての決勝進出というところである。
前大会はマリッチの有終を飾る試合となった。そして今回は、言うまでもなくギドの有終を飾るための大会。あと1つ、絶対に勝って、優勝してギドを送り出そう。
世間の現実的な見方は、怪我人続出のレッズvsほぼベスト布陣のガンバというところになるだろうか。確かにレッズは台所事情は苦しいが、しかし我々にとっては、今出られる選手がベスト布陣。どんな選手がピッチに立とうと、いつも通りに応援するのみである。
さあ元日の国立、レッズの勇姿とギドの姿を目に焼き付けよう。
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今年も当ブログへ訪問いただき、本当にありがとうございました。それでは皆さん、2006年も残りわずかですが、どうか良いお年をお迎えください。また来年もよろしくお願い申し上げます。
天皇杯準決勝
浦和レッズ2-1鹿島アントラーズ
~国立競技場
よっしゃ!2年連続決勝進出決定!!
アビスパ戦やジュビロ戦と違って、今日は前半から目を覚ましたプレーをしていたおかげで、今度こそシッカリと90分で勝利を収めることが出来たね(笑)
実際、主力をこれだけ欠いた中でも、ピッチに立っている個々の選手が120%の力を振り絞って本当に良く頑張っていた。
特に細貝、どんな場面でも決して臆することなくガツガツ当たって行ったのが功を奏した。並の選手ならあれだけ激しい接触プレー連発では負傷していても不思議では無いところを、自慢のフィジカルの強さを前面に押し出しての気迫あるプレーには感動したよ。
伸二はジュビロ戦に続く貴重なゴール。伸二らしい絶妙な技ありシュートだった。伸二は足の状態が不安定な中で、自分の存在をアピールするかのように頑張っているね。
そしてロビー。彼がレッズの攻撃を支えてくれていることは明白だが、今日は特にその個人技が冴えに冴えていたね。まさに身震いするほどすごかった。
都築、ウッチー、ネネ、啓太、相馬、平川、山田、永井。そして復活した堀之内。今日出られなかった長谷部も坪井も。ケガした酒井は心配だが…。
さあ残り1試合、選手もサポも総力戦でこのまま突っ走ろう!!
それでは景気付けに今日のお約束の1曲(笑)
♪もう幾つ寝ると お正月
お正月には国立で
ガンバ大阪倒しましょう
早く来い来い お正月♪
天皇杯決勝/1日
浦和-ガ大阪(国立14時)
えっ、またガンバですか!?
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天皇杯準決勝 浦和2-1鹿島
得点/40分・伸二(浦)、69分・岩政(鹿)、82分・ロビー(浦)
伊藤翔獲得失敗が残念、っていうかショックだったので、もう伊藤ネタはしばらくいいや。
現実逃避で優勝グッズネタでもひとつ。
実はリーグ優勝グッズをネット購入締め切り日である昨日申し込んだ。優勝グッズの存在を知らなかったり忘れていた訳ではない。なぜ申し込みがこんなに遅くなったかと言うと、買うか買うまいか迷っていたのである。
俺は、何かの記念グッズというものが嫌いなのである。なぜかというと、記念グッズというのは自分のペースとは関係なく期間限定で発売され、しかもそれを買わなくてはいけないという衝動にかられる。この誘惑に負けまいと、昔から記念グッズの購入は出来るだけ避けて来た。
ナビスコ優勝の時もステージ優勝の時も天皇杯優勝の時も、(本やDVDを除いて)オフィシャル記念グッズは何ひとつ買わなかった。レッズ発足時から応援している俺だが、これまで購入した記念グッズと言えば、ギド退団記念テレホンカードとか福田引退試合記念キーホルダーとか、実に地味なものくらいである。
こんなんで本当にレッズサポ?と思う方もいるかもしれないが…レッズサポだよ、俺は(笑)
こんな俺が、なぜ今回は優勝記念グッズ購入を決意したのか!?
やっぱ初のリーグ優勝じゃん!!
…まあ、理由はそれだけなんだけど。ボーナスもあるし。
それでは、俺が大枚を叩いて購入した優勝記念グッズを紹介しよう!!
■06 THE LEAGUE CHAMPIONS ミニフラッグ 525円
俺、実はレッズのミニフラッグは初回発売バージョンからずっと集めてるから、これも買わざるを得ないんだよね。
■06 THE LEAGUE CHAMPIONS ニットマフラー 3,000円
これは定番という意味で買った。でもこれは保存用だから家に飾っておく。実際に応援に巻いて行くマフラーは従来通り愛用の96年製タオマフ。
■06 THE LEAGUE CHAMPIONS ミニニットマフラー 1,470円
これもとりあえず買った。来季はチャンピオンの印として、これを腰にひっかけて応援に行くかな。
合計4,995円
…そこのアナタ、「なんだ、これだけかよ」って思ってるでしょ!?い~や、俺にとってはかなり勇気ある行動なんだから!!
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