サガン鳥栖3-1浦和レッズ
~ベストアメニティスタジアム
やっとこさ鳥栖から帰ってきた・・・贅沢新幹線で・・・
行きは高速バス15時間で、もはや腰と尻がウルトラアウチである。
とにかく疲れた。負けたから疲れた。
ここのスタジアムは駅前にあるのは最高の立地だが、帰りに居酒屋行く前に先にチェックインしようと、電車賃ケチって田代(隣の駅)のホテルまで歩いたら、自分は方向音痴だし、仲間ものほほんとしているから、んなもんだから道を間違えて、遠回りになって倍も歩くはめになった。
だいたいだな、鹿児島本線の線路沿い側道を1本、博多方面に歩けば絶対に迷わないはずなのに、それなのに、何故に線路から遠ざかるような道を歩いていたんだ?わけわからん。・・・自分で情けなくなってきた。
情けなくなってきたというのは試合もそうで・・・
お約束のように”はなわ”が登場し、超熱狂ライブ炸裂でスタジアムの雰囲気が盛り下がるのであった。
この人ね、前に埼玉を馬鹿にした歌作ったから、自分は嫌いなの。佐賀は嫌いじゃないけど。
試合は簡単です。鳥栖のシンプルかつハードワークに完全に圧倒された。それだけ。
レッズは広島戦同様に、要所ではそれなりに速く、そしてある程度の柔軟性を持った攻めは出来ていたし、積極的にシュートを撃っていたし、アグレッシヴさがあったからこそゴール前でもファールを貰えていたし、チャンスは作れていたし、でも、もっとガツガツ行っても良かったかな。途中出場の達也が、いぶし銀の上手い楔を入れた場面とか、あれで決まっていたら盛り上がっただろうし、最後はがら空きのゴールなのに、何でそこに居るのよ?ってな敵DFに当たって入らなかったシュートもあったな。運も無かった。
でも、それでも、いつものレッズである。広島戦での姿と、川崎戦や今回鳥栖戦での姿。どっちが本当のレッズ?・・・どっちもレッズである。槙野も居ない。永田も居ない。そんな中で急造3バックでやっているのだから、綻びが出る時は一瞬である。広島戦で完封したからといって、川崎戦を思い出してもらえれば一目瞭然なんだけど、ようするに、安定感がゼロに近いのが今の守備なのだから、ある意味こうなる事は、予想出来ていた部分は、ある。
水輝は、これが水輝なのだろう。戦犯扱いはしたくないが、敗因の何十パーセントは、水輝である。前が開いているのに平川に出さないし、ボール持った時のファーストチョイスが、阿部か暢久へのパス。まさかそれでお得意の”組み立て”と勘違いしてしまっていたのかはわからないが。しかし、それよりも守備面で本当に良くない。ミスって敵にボールは渡すし、カウンター喰らうと絶対に追いつけないし、2失点目の不用意な弱いクリアも・・・なんだか観ていて痛々しかった。天皇杯でもそうだったけど、今回もこれでは・・・厳しい。本当に厳しい。どうしたら良いんだ、水輝よ。
でも、それでもレッズの敗因は、鳥栖のハードワークなのである。
素直に、鳥栖は強い。J1一年目で上位争いに絡んでいるだけの事はある。明確に、ハードワークという武器を持っている鳥栖。タレントを揃えていなくても、限られた予算の中で戦っていても、体力が、ハードワークが、タレント集団の戦術を凌駕したのだろう。縦ポンだろうが、何だろうが、勝った方が強いサッカーなのだ。
でも、レッズだって上位争いに絡んでいるじゃないか、と思うものの、なぜ絡んでいるのか明確な要因が見出せないまま、ここまで来てしまった感がある。そのような不安定なサッカーをしていると・・・鳥栖に順位をひっくり返されるのである。嗚呼5位転落・・・。
えーい、堅っ苦しい試合の話なんてヤメじゃ。
それでも意地でも敵地で酒を飲むという鉄の掟を守る。意地でも守る。
そんな事を守っていて何の得があるのかは知らんが、とにかく酒を飲む。
←鳥栖、この見事なまでの寂れた感がたまらない。
一応ここ裏路地飲屋街、夕方6時なのに、既にこの状況・・・
お~い、開いている店は無いのか~
とは大袈裟だが、鳥栖なので鳥と無理矢理こじつけての焼鳥屋で、出たよ、またザ・ヤケ酒。
今年は長距離遠征となるとザ・ヤケ酒ばかりじゃないか!あ、今年に限らずか・・・
もはや負けたヤケクソで、どう見ても鳥栖サポばかりの焼鳥屋に突入し、入店と同時に店内テレビで今日の試合のハイライトが映るという超バットタイミングで派手に自爆し、早速アウェーの洗礼を受ける。ハイライト映像に大歓声の鳥栖サポ。ハイライト映像に絶叫悲鳴の自分達。
そして夜も更けて行き、そこで酔っ払いながら、鳥栖サポ集団と熱く語り合うのであった。
語り合いまくって、何を語ったのか忘れたが(おいおい)、麦焼酎のお湯割りをこぼしたのは覚えている(笑)
最初はリスペクトしているはずだったのだが、何故か途中から「埼玉じゃ負けねーぞ!」とか「来年はぶっ潰す!」とか、とんでもねー事を口走っていたような記憶もあるのだが、まあそれはそれとして、最後は真面目にこちらのリベンジを誓いつつ、全員と固い握手をして別れたのであった。
鳥栖は、良い所だ。レッズが負けなかったら、もっと良い所だ。
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J1リーグ第33節 鳥栖3-1浦和
得点/45分・豊田(鳥)、 58分・梅崎(浦)、63分・野田(鳥)、78分・豊田(鳥)
主審=吉田 寿光
観衆:22,116人
『このたび、浦和レッズは、田中達也選手(29歳)と、契約満了に伴い来季の契約を更新しないことになりましたので、お知らせいたします。』
レッズサポーターの誰しもが、予想はしたくなくても、しかしある程度の予想と覚悟は出来ていたであろう田中達也の戦力外通告が、ついに現実のものとなってしまった。
今季に限らず、ここ数年の稼働率と年齢と年俸を総合的に鑑みた場合、今年で複数年契約が切れる達也の扱いを来季に向けてどうするかは、クラブチームにとっても、そしてサポーターにとっても、苦慮すべき部分であったはずである。
言うまでもなく、達也はレッズにとってスター選手である。それも生え抜きのレッズ一筋。だからこそ、余計に多くのサポーターから愛されている存在の選手である。
移籍加入した選手には失礼を承知で言うが、やはり新人加入からチーム一筋で来た生え抜き選手は、クラブにとって特別の存在である。その象徴がレッズでいえば福田であり、暢久であり、そして達也なのである。そしてそういう選手が、他チームのユニフォームを着る姿など、絶対に想像したくないのがファン心理というものである。
達也を振り返れば、誰しもが小さい身体でピッチを必死に駆け回る姿が思い浮かぶし、誰しもがあの大怪我さえなかったらと思うし、誰しもが生涯をレッズで終える事を望んでいたはずである。
レッズというクラブは、一昔前であったならば、そのような生え抜きのスター選手は、もはや誰の目からも限界と思われる状態になるまでは極力戦力外通告を行わず、選手が望むのであれば、逆に何としてもチームに残そうとしていた。外から甘いと言われようが何と言われようが、そういう温情あるクラブであった。だから一昔前のレッズであったならば、それでもクラブは達也をレッズに残そうと奔走したはずである。
しかしチームが強くなる事で、それが弊害にもなる事を、ここ数年レッズ自身が学んだ。
強くなる、優勝もする、お金も入る、それによって当然のように選手の年俸は上昇する。それが続けば続く程、青天井式にクラブは多くの高額年俸選手を抱える事になる。
現実的な話として、優勝を繰り返した鹿島でありながらも、巨額の累積赤字を抱えるに至った。その原因は、優勝によって繰り返される、選手年俸の歯止めが利かない高騰化であったと言われる。
そして、その栄光の日々が終わりを迎えた時、一気に低下傾向になるクラブの収入に反して、残るのは高額年俸の選手になってしまうのだ。
ただしこれは選手が悪い訳ではない。プロはお金を貰ってナンボの世界である。そして年俸を決めるのはフロントであって、選手はそれに従うか否かの権利はあっても、納得の行く年俸を支払ってもらうクラブに居続けるのは、選手にとって当然の選択である。
問題の責任は、収支のアンバランスな状態を作り出したフロントの目論見の失敗にあるのである。
達也は、もしかしたら、その煽りを受けてしまった選手なのかもしれない。
しかし戦力外通告を受けるには、受けるなりの理由があるという事である。冒頭にも書いた事だが、ここ数年の稼働率と年齢と年俸を総合的に鑑みた場合、今年で複数年契約が切れる達也を、クラブがチームに残す余力は、もう残っていないのだと言う事を、サポーターは受け止めなくてはならない。達也の戦力外通告によって、クラブは自らの等身大を語っているに過ぎない。これは実に日常的な話であり、厳しい現実がレッズというクラブチームを覆っている証拠でもある。
年俸を大幅に下げてでも達也を残す選択肢はあったはず。しかし仮に達也の年俸が報道通りの8千万であった場合、クラブは再契約初年度では半額以下を提示できない規約になっている。4千万。この数字で達也を戦力として残す余力は、はっきり言って今のレッズには無いのであろう。
仮にクラブがその年俸を払ってまで達也を残そうとしても、それ以前に、もはやミシャから構想外の扱いを受けていた達也自身が、来季もミシャ続投で決定済みのレッズに残るだろうか。自分は否だと思う。ここは達也のプライドが許さないと思う。
しかし29歳という、まだまだもう一華も二華も咲かせられるであろう年齢で、生え抜きのスター選手がチームを去る時がやって来たという事実は、重く受け止めなければいけない。
最後に、自分が一番達也の印象に残っているシーンをあげよう。
それはJ1復帰を果たして迎えた2001年シーズン。駒場でのヴェルディ戦。誰のパスだったかは覚えていない。そのパスをゴール前で押し込んだのが達也だった。大勝の駄目押しゴール。これが達也のプロ初ゴールだった。ここから達也の伝説が始まったのだ。願わくば、あの時代の達也に戻って、もう一度赤いユニフォームでピッチを駆け回る姿をと思うが・・・
12年間ありがとう。浦和のワンダーボーイ。
浦和レッズ2-0サンフレッチェ広島
~埼玉スタジアム2002
そうかと思えば、首位には2-0という素晴らしい完封試合で勝つのである。
これが残留争い真っ直中のガンバに5失点したり、最短降格決定済みの札幌に完封負けしたり、川崎に僅か12分間でハットトリックを許した同じチームなのであろうか?
・・・でも事実、同じチームなんだから、今季のレッズは不思議なチームである。
本来なら、この広島との大一番が、優勝を賭けた一大決戦になるはずであった。それだけに、あの試合に勝っていれば、あの試合に負けていなかったら、正直そんな事も脳裏に過ぎったのも事実ではあったが、しかしそれはそれ、これはこれ。先ずは調子に乗っている首位・広島を、4万以上の大観衆の中で返り討ちにした一大勝利を喜ぼう。
不思議な試合だったと思う。得点王をひた走る佐藤寿人を擁して絶好調かと思われた広島だったが、蓋を開けてみれば淡泊な攻撃に終始し、ヒヤッとする場面はあるにはあったが、全体的にはあまり怖さが無かった。勿論ピンチはあったが、大ピンチは2度加藤がスーパーセーブで弾いた場面と、高萩が後は押し込むだけシュートをアウトにかけてしまい、上に噴かして外してくれた場面。これ位であっただろうか。
レッズが前向きな攻撃が出来ていたからだと思う。いつもの悪い癖、すぐ最終ラインに戻しては攻撃の糸口が掴めなくなってしまう病が、この試合では限りなく少なかった。永田のお株を奪うような暢久のドンピシャのロングフィードが効いていたし、バックパスが少ないという事は、縦に素早い攻撃が出来ているという意味でもあり、開幕前の練習試合で散々繰り返された本来ミシャサッカーの目指すところの、敵陣に入れば後ろを向かず、鋭いパス捌きとショートカウンターから素早くゴールに迫る形、つまり梅崎の先制点に繋がる流れこそ、それであった訳だ。
もうひとつ、良いか悪いかの議論は別として、どの選手にも個人突破の動きが頻繁に見られた事。これは、いつもゴールエリア外側でパス回しに固執して機を逸してしまう病とは実に対照的で、これまでのミシャサッカーではあまり見られていなかった姿である。これはミシャがそういうプレーを解禁したのか、はたまた選手が発奮した故なのかはわからない。が、やはりそういうプレーが無ければ絶好の位置でフリーキックを得られないし、ビッグチャンスはなかなか生まれないのである。それを今日の試合でまざまざと証明したのではないだろうか。
ようするに、パスサッカーであろうと何サッカーであろうと、組織を念頭に置きながらも、それでも勝負を仕掛けるに絶好な時は、エゴでも何でも良いから個人の力を前面に押し出して、ガムシャラにゴールを目指す姿勢を見せる、そして同じパスでも緩急付ける事で試合の流れを引き寄せ、そこから好機が構築されて行くのである。そういう柔軟なサッカーが出来るようになれば、毎試合とはいかないまでも、その頻度が多くなってくれれば自ずと・・・
なんて偉そうに書いているけど、今回そういう内容で勝てたからこそなんだが。
今回一番頑張った選手、そんなご褒美とも言える啓太の追加点は面白かった。あの位置に啓太がヒョコッと居るのも不思議ではあるんだが、前がポカッと開いた途端に、啓太も、そして広島DF陣も一瞬動きが止まり「あ、あれ?い、行くよ?いいの?」と言ったかどうかは知らんが、それが微妙なフェイントに作用して不思議な”間”が生まれ、そんな感じで啓太が再び動き出した時には、肩透かしを喰らったかのような形になった千葉は身体が固くなり、啓太を止められず倒れ、そして啓太は思いっきり右足を振り抜いた。・・・啓太ってたまにあそこに顔を出すんだけど、そうすると決まってゴールを決める。そう、一昨年の等々力でも、去年のホーム福岡戦でも、そして今回も。不思議なゴール嗅覚を持っているのかもしれない。
野田のヘディングも打点が高い。今季消化試合となったナビスコ広島戦で、凄い豪快なヘッドでゴールを決めているが、位置は違えど、またも豪快なヘッドを連発した野田だけに、広島戦とは妙な縁になってしまった感がある。
そして梅崎は、何度も言うけどシャドーが一番活きる。欠場の柏木には悪いが、やはり自分はあの位置に梅崎を固定したいのだ。そこで結果を出し続けている以上、自分が監督だったら、そうせざるを得ないんだが。
坪井にしても槙野(次節出場停止だけど)にしても原口にしても、誰にしても今回は見応えのある内容だった。
ホームで、そういう試合が堪能できて、そして勝利して、3位キープで、ホームで久々に勝てた。本当に良かった。楽しかった。
いや、違うな、勝ったからこそ楽しいんだろうな。そういうこと。
赤き血のイレブン1で始まった今回のサポート。思えば赤き血のイレブン1のお披露目は、レッズが世界と戦い始めた2007年、ビッグアーチで広島から勝利したあの試合だった。あの時に柏木と槙野は敵として対峙していた。それを率いていたのはミシャだった。あれから両チームとも紆余曲折があったが、そんな柏木と槙野は今、レッズのユニフォームを着ている。それを率いるのはミシャ。そして再びレッズは、アジアへ飛び出すチャンスを掴もうとしている。これだけは、意地でも他に譲ってはいけない。
おまけ
味千ラーメンは600円と安いけど脂っこくて最近受け付けなくなって来たし、駒場ラーメンは無駄にでかいチャーシューバージョンになって800円に値上げしてから買わなくなったし、で、その中間を行く700円の「玉スタラーメン」が自分の口に合っている事が判明した一杯。
そして誰も買っている所を見なかった新発売のビールジョッキ。
しかし、飲兵衛の悲しい性か、こういうのを発売されると、買わざるを得なくなるのである。
お約束のように買ってしまったが、これまで買ったレッズグッズの中では、無駄に高く一番無意味な買い物をしてしまったような気がする・・・ってかもうちょと貫禄あるデザインにしてほしかった。
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J1リーグ第32節 浦和2-0広島
得点/41分・梅崎(浦)、 61分・啓太(浦)
主審=扇谷 健司
観衆:41,296人
ついに待望のJ3構想が立ち上がった。何が待望かと言うと、単に自分がクラブ数増加によるJリーグの活性化を理由に望んでいるだけではあるのだが、その大まかな理由は、数年前の記事
http://redsgyakushuu.blog.shinobi.jp/Entry/691/
の下の方に書いてあるので、宜しければ参考までにどうぞ。
ここまでの過程として、いよいよ今年J2からJFLへの降格制度がスタートした。そのJFL降格という憂き目に合ってしまった初のクラブが町田ゼルビアであるが、しかしJFLでJリーグ加入条件と昇格可能な成績を満たすクラブが現れ続ける限り、これから永遠に終わらない非情なルールであり、来年も、再来年も、このような悪夢が繰り返される。実にスリリングであり、悲劇である。そして今J1上位に居るクラブも、対岸の火事として捉えてはいけない。日本より遙かに長い歴史がある海外リーグにおいては、かつての名門がいくらでも3部リーグや4部リーグにまで陥落している。即ちJリーグにおいても、明日は我が身、である。
さて、J3構想が何を目的としているのかであるが、それはJリーグが言う通り、J2からの降格クラブ及び、増加し続けるJリーグ新規参入希望クラブの受け皿となるリーグの発足である。
ただしJ3の構想には、それよりも本当の理由があると思う。それは、いよいよ来年度よりスタートするクラブライセンス制度と深く関わるもので、即ち、それによってペナルティ降格させられるクラブの受け皿を作る事こそ、J3構想の本当の目的ではと思っている。
例えばJクラブがライセンス制度に引っ掛かり、J会員資格を失効した場合、一気にアマチュアリーグのJFLや地域リーグへ降格させるよりは、プロ色の強いJ3へ降格させる事で、その衝撃度を少しでも和らげる事が出来る。つまりJ3は、クッションの役割を果たす事が出来るのである。
この事はhttp://redsgyakushuu.blog.shinobi.jp/Entry/691/でも書いた事なのだが、あの時点ではクラブライセンス制度という話を抜きに、単にペナルティ降格を意味した書き方になっていたが、そこにクラブライセンス制度という現実的な話を加えると、何となくJリーグの裏の思惑が見えてくる。しかもJ3はJリーグ直轄ではなく、独立法人として考えている所からも、財政面を含めたJリーグの、苦肉の事情が見え隠れしている。
しかし、年々増加しているJリーグ新規参入希望クラブの事情も考えると、何れJFLだけでは持ち堪えられなくなるのも明白ではあるので、遅かれ速かれJ3というカテゴリーが出来るのも当然であると思っていたし、そう願っていた。
クラブ数が増える事によって分散化する戦力と、それに比例したレベル低下を懸念する声もあるが、それはあくまで数字の理論であって、昇降格制度がある事によってトップリーグから末端のリーグまで繋がっているサッカー界においては、当然のように誕生するプロ化を目指すクラブの増加に、歯止めを掛ける有効な批判理由にはならないと思う。唯一それに歯止めを掛けるものがあるとすれば、それこそがJリーグ会員資格の存在であり、クラブライセンス制度なのであろう。その上で消えて行くクラブやプロ化を断念するクラブがあるとすれば、それはもう歴史の一旦として片付けるしか方法はないのだ。ただ願わくばJ3(名前がストレートにそうなるかはわからないが)が、その受け皿となって活性化してくれれば、幸いである。
川崎フロンターレ4-2浦和レッズ
~等々力陸上競技場
自慢じゃないが、昔から逃げ足だけは速い。負けた時に電光石火で帰還するのは得意なのだ。特に神奈川方面からの場合は。
それくらいレッズも速いサッカーをしてほしいんだが・・・
確かにパスで崩しきるまで我慢に我慢は、わかる。
何をやろうとしているのか、何を狙っているのかは、わかる。
それで実際に決定機を作っている訳だし、それで決めた訳だし、今日だって西部のセーブが無ければもっと決まっていたかもしれない。だから右から左まで間違ったサッカーをしている訳ではないのは、わかる。
だけど、何もキーパーと1対1になるまで、頑なにシュートを撃たないのも、・・・理屈はわかるが、心情的には納得行かない。
だから時既に遅しで進路もシュートコースも限定されてしまうし、限定されてしまうからこそ、キーパーがスーパーセーブしている訳ではなく、キーパーの守備範囲にしかシュートを飛ばせないという見方も出来るのである。
だからこそ遠目からでもシュートする姿勢を見せる事が必要なのだが、それをしない故にすぐ敵に引き込まれて機を逸っしてしまう。そんなシーンが2度3度繰り返される。そしてその度に幾度となく飛び交う「何でシュート撃たねーんだよ!」「シュート撃たなきゃ入らねーんだぞ!!」の怒声。これも、わかる。
わかる。わかる。わかる。わかる。わかる。・・・
わかるばっかりで、何がわかるのか、訳がわからなくなってきた。
ただひとつ言える事は、守備は相変わらず不安定だし、でもFK2失点は運も無かったし、でもでもFKを何度も与えるような深い位置での守備は不味いと思うし、だからこそもっと前から守備しなければいけないし、そもそも前半だけで同じ選手にハットトリック許しちゃうのは・・・酷いというのは、誰でもわかるだろう。しかも挙げ句に●瀬にもやられた。絶対やられたくない選手に・・・
そしてセレッソ戦で遠目からでもせっかくアグレッシブにシュートを撃って行った姿勢は、結局一過性のものだったというのか。
それはともかく・・・ともかくと話を切り替えようと思ったが、ともかくも何もないな、話題が暢久ばかり先行していた川崎戦。しかし、暢久は、結局は暢久であった。色々な意味で。ハハハ。
しっかし、不安であり不安定。自分がパスサッカー否定派だからという訳ではない。それでも結果を出してくれれば、好き嫌いではなく、そのサッカーを素直に認める心はいつでもあるのだ。
しかるに、この秋の失速ぶり。しっかし、それでも首の皮一枚とはいえ相変わらずまだ3位って、どんだけ運があるのか、なんて事は別として、3位という順位が隠れ蓑になっているのは明白で、今季のJ1が団子状で進んでいなかったら、実はもっと大変な順位になっていても不思議ではない失速っぷりだ。
とにかくこれだけ勝てなくなってしまうと、不安が過ぎらない方がおかしいと思う。だから、自分は不安でたまらない。確かにやろうとしている事は痛い程わかるんだけどさ。
帰りの電車で川崎サポが言っていた。
「浦和ってゴールの外でパス回してるだけで、シュート撃って来ないから、全然恐くないよね」
・・・
ケッ!お前らにレッズのサッカーの何がわかるってんだよ!?
と、言い返したかったが、ここでハッとした。
「ゴールの外でパス回してるだけ」「シュート撃たないから恐くない」
・・・あの時も散々他から言われた台詞じゃないか。
溜め息だ・・・
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J1リーグ第31節 川崎4-2浦和
得点/19分・柏木(浦)、 22分・レナト(川)、 28分・レナト(川)、 34分・レナト(川)、 58分・槙野(浦)、 72分・山瀬(川)
主審=西村 雄一
観衆:17,870人
しかし、”しない”と”できない”で分けるだけならば、一方の”しない”理由を導き出すのは簡単な話だ。例えば、その理由は資金不足であるとか、育成優先だとか、選手層が厚い故に補強は不要であるとか、これは理屈に叶った至極単純かつ明確な理由が大半である。
問題は、「できない」場合である。
例えばその理由が”資金不足”であったとする。しかしそのチームの観客動員が他に比べて著しく多かったり、優良スポンサーを抱えていた場合、それなのにどうして資金が不足するのか?という大きな疑問が浮上する。それに並行して、では資金は何に使われているのか?何処に流れているのか?という疑念を抱く事になる。
「できない」場合の致命的なパターン。それはフロントの力不足。いくら資金があろうと、いくら欲しい選手を見付けようと、相手のある事だから、交渉して招き入れなければならない。その交渉術が欠如しているのか。はたまたそれ以前に、めぼしい選手を見付けようとする力が無いのか、力はあってもその術が無いのか。術が無い場合、つまり海外にパイプが無く、自ら海外でめぼしい選手を発見する眼力も無く、結局は代理人の存在と国内移籍だけに頼って、実に視野の狭い補強だけに終始してしまう。つまりこれは扉は開いているものの、交渉事は一方通行になりがちになる。尤もこの方法が一番リスクが少なく手っ取り早く簡単ではあるのだが、しかしそればかりでは、永遠に劇的な変化や発見は訪れない。
しかしこれでも、めぼしい選手を発見し、リストアップし、オファーし、それでも金銭面で交渉が決裂してしまったというのならば、まだそれが明確な理由として諦めがつく。尤もそうなる前に策を講じて獲得に導くのがフロントの仕事であるというのも正論であるが、それは力不足という原因にループする話でもあるので、それ以上は言わない。
しかしクラブチーム自体が交渉相手に魅力薄、価値が低いものと映っている場合は一大事である。その場合は、長きに渡ってクラブチームのイメージを低下させて来た根元を断ち切り、積もり積もった悪い部分を取り除くしか方法が無い。ではどう断ち切るのか。どう取り除くのか。これは極めて難しい方法である。
フロントがいくら補強を推し進めようと躍起になっても、当の監督が補強を希望しない場合や、監督自らが独自で選手を希望している場合も厄介である。このフロントと現場の考えの行き違いが、補強の邪魔をしている事は決して少なくない。
日本のプロスポーツでは、フロント主導という言葉が良く聞かれるが、この言葉は、監督の希望していない類の補強が進められたという意味で使われる事が多く、フロント主導=悪という概念が文化意識となってしまっている。
これは移籍=イメージダウンと捉えられているものと同様、日本のプロスポーツ文化の悪い部分で、本来補強とは、先ずはGMを筆頭にフロントが主導で行うのが本筋である。そこに監督の希望があったり、監督自らの影響力によって補強する事はあっても、その前に必ずフロントと監督の綿密な話し合いによって結論が得られるべきである。ところが日本の場合は、監督の戦術という”大義名分”から、フロントが監督の意向を盲目的に承諾してしまう節がある。
補強は監督の希望や戦術、チーム力強化に留まらず、経営戦略の一環として扱わなくてはならないのがフロントの役目であり、あくまでクラブチームの序列の優先順位は、監督ではなくフロントにあるという事を履き違えてはいけない。これを崩して現場が強くなってしまうと、やがて内部統制が執れなくなり、湾曲した組織が出来上がってしまう。
このように、様々な理由、原因、事情によって「補強ができない」場合、その先に待っている物は・・・周知の通りである。
だからこそ補強は必要不可欠であって、疎かにせず、常にあらゆる方面に触手を張り巡らせておく必要がある。何時までも「できない」ままで済まされないのが補強であり、綺麗事ばかりでは通用せず、現実は補強に勝る補強は絶対に無いのである。
こうやって擦った揉んだと話が燻っている内に二進も三進も行かなくなり、やがては本当に「できなくなってしまった」になってしまっては手遅れなのだから、補強は「いつでもできる」体制を持つクラブでないといけない。理想であるが、それが現実でもある。そう、何かに直面した時でも、実際すぐ動く(動ける)クラブと、それでも動かない(動けない)クラブが存在しているのだから。
・・・え?
何処のクラブの事を言っているのかって?
えーと・・・。
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■5/17=「たのしいラボ」さんと相互リンクしました。■11/21=「誰も教えてくれないサッカー観戦を100倍楽しむ方法!」さんと相互リンクしました。■7/29=「サッカーの技法をすべての人に」さんと相互リンクしました。■10/1=忍者ブログは先月末をもってトラックバック機能が廃止になりました。これまでTBを送信していただいた皆様ありがとうございました。
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スタジアムではゴール裏住人であります。